木下誠氏インタビュー。HMDT流iPhoneアプリ開発とビジネス。

hmdt

木下誠氏、iPhoneアプリ開発者しいてはマック関連の開発者で、彼にお世話になった人は本当に多いでしょう。HMDT、Happy Macintosh Developing Time社の木下氏に会ってiPhoneアプリ開発のことビジネスのことについてお話ししてきました。

前半ではiPhoneアプリの開発に関して駅探エクスプレスを例に教えてもらい、後半ではHMDT社の社長としての木下氏にお話を伺う内容になると思います。1時間半もお時間もらったのですが、知的好奇心をくすぐられる話ばかりで本当に楽しかった。

こちらが後編になります。
HMDT木下誠氏インタビュー。アプリケーション開発とデザイン。そして、知への探究心。 – AppBank

HMDT社が手がけたiPhoneアプリ

appbank(以下A):HMDTが手がけたアプリはHMDTリリース以外にも多くあります。これまで手がけられたもので公開できるもののアプリ名を教えてください。

HMDT木下氏(以下K)

その他、APPSTOREに2つか3つほど言えないものがあり、他に完成済みで登録していないもの・検討中のものが3つほどあります。また、現在受託で開発しているものが7,8つあります。とても忙しいです。

A:他社のiPhoneアプリを開発する際のビジネスの組み方は売り上げシェアなのか、それとも受託開発なのですか?

K:ケースバイケースです。

駅探を通して知るHMDT流iPhoneアプリ開発

A:駅探があります(駅探エクスプレス iPhone / iPod touch)。私がiPhone 3gを表参道店で手に入れた後、即購入したアプリです。同ジャンルのアプリと異なり、これ1択でしょうと思わせる魅力があります。何か特別な仕掛けがあるのでしょうか?

K:これまでHMDTではずっとMacingosh用アプリを開発してきました。iPhone用アプリをAppStoreの開店前に作成するために、まずアップル社の提供しているMacやiPhone標準アプリのユーザーインターフェースを使いながら理解すること、そしてiPhoneヒューマンインターフェイスガイドラインに従うことが大切でです。

駅探においては、1年以上前AppStoreが開店するかもわからない段階、リリースされるかもわからない段階から検討を始めていました。

駅名の入力と目的の情報に素早くたどり着くことが一番重要です。iPhoneでやる場合、入力方式としてキーボード入力はまずありえないとして、タッチを基本にした何パターンもの駅名の入力方法を用意して検討していきました。そして現在の入力方法となりました。

A:駅探にはwebアプリもあります。普通に使えてしまうアプリなのですが、どうして存在しているのですか?

K:今ではそうでもないですが、iPhone用のwebアプリケーションをつくってほしいとアップルが求めていた時期がありました。開発を担当したスタッフはすごく大変だったようです。

A:iPhoneアプリを開発するときに心がけたり、または開発中に何度も戻ってくるポリシーのようなものはありますか?

K:技術者としての自分はテクノロジードリブン。まず、できることから作っていく。iPhone OS 3.0が始まります。さまざまな追加機能が実装されます。あんなことや、こんなことができる、ならこういうアプリを作ってみようということです。

逆に、アプリとして仕上げていく際には、見た目を相当重視します。iPhoneアプリを立ち上げた際に「メイン機能以外は見せなくする」ようにしています。これはMacアプリのときもそうでしたが、iPhoneアプリの制限された画面で使うことを考えると当然のことだと考えます。

ユーザーに、そのアプリを「使っている」意識をしてもらいたくないので、環境設定項目を極限まで減らす、または設定自体を無くしたいのです。もちろん、利用者や購入者の中には、環境設定項目が多ければ多いほど良いという意見もあるでしょう。しかし、チェックボックスをいくつも用意して使ってもらうということが私にはありえないことです。アプリを設計する際には、利用者を目的の動作にナビゲートすることを第一にします。使いながら、自分専用の使い心地を作れるように設計していきます。理想は設定無し、アプリの背景にある知識を知る必要なく、利用者がやりたいことだけに集中してもらうようにすることですね。

UIは絞る。必要の無いものは隠すか別画面

K:駅探の場合、起動後の画面には出発駅と到着駅と「検索」ボタンの3つしか表示されていません。検索の際にも経由駅や特急などの設定などいろいろあります。経由駅の登録は高度な操作のため隠し、発着時間の設定も別の画面に用意しました。

ekitan


入力した駅名を消去すボタンを表示するか、も検討に上がりました。これは項目をタップして再入力するという形にしました。これも「メインの機能ではないため、明示的機能」であってはいけません。

「必要ないものは別画面」というのはiPhoneの設計では重要です。けれども、そのためにあっちいったりこっち行ったりするようになるのはナンセンス。一番使ってもらえる機能を一番前にします。



A:駅探が一番好きな理由に駅名をあいうえお順にスクロールして検索できるからというのは、私には大きいです。また、あ行を選択したあとにも、スクロールの右側にあ行か行さ行とショートカットが用意されているのも好きです。

K:スクロール式のインターフェースになったのは駅名が9000しかないからです。9000しかない駅名からiPhoneで最も早くたどりつくならこうだろうと。そして、スクロールバーの横にあるショートカットはiPhoneの標準パーツです。iPod にもついていますし、abcでも123でも好きな文字でショートカットさせることができますよ。

A:SDKを使い倒してHUGを読めば分かることだったのですか。

K:そうです。



(削除ボタンは必要ではないものの、こういう茶目っ気を残すのもHMDT流。)

A:こういう機能を入れてユーザーにほれさせてやる!みたいなことを考えますか?

K:Macintosh用ソフトを開発していた時代、ユーザーからのフィードバックがたくさんありました。その中に「このソフトは素敵なソフトだ、だけどあの機能がないから自分は使えない」「あの機能があるといい」という声がとても多かった。そして、100人が求めている機能は全て異なる機能でした。

K:要望をいただいた時にも、取捨選択を行います。考えることは同じです。まず、メイン機能は何か?次にそこにたどり着くために必要なものなのかどうかという考え方です。

駅探を例にあげて、今ならTwitterにポストできる機能やGoogleマップとの連携などの流行の機能を求める人がいるかもしれません。それが目的の駅にたどり着くことに役立つのかということです。

HMDTで設計するときはひとり担当者を決めて、メインストリームの機能を見失わないように努めています。

見た目にも美しく、機能的にも美しい、そんなアプリ

K:私がもう一つ大切にしていることに、スクリーンショットをとったときにかっこいいアプリを作る。というのがあります。そのままです。ぱっと見て美しく、ぱっと見て使え、機能的にも美しいということです。デザインはとても大切です。

A:iPhoneの標準アプリで参考にしているものはありますか?

K:全て参考になりましたが、中でも時計アプリは衝撃的でした。最初に開いたときにアナログ時計が縦に並ぶ。「その発想は無かった!」と思いました。駅探エクスプレスのトップ画面はこの時計アプリをベースに作られています。

続きます。
HMDT木下誠氏インタビュー。アプリケーション開発とデザイン。そして、知への探究心。 – AppBank

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