砂漠すべてを緑地化すると地球の環境はどうなるのか?
砂漠を緑豊かな土地に変える為には、多くの水が必要です。地球上のすべての砂漠を緑地化する為には、約6.7兆リットルの水が必要になります。これは、北米最大の五大湖であるスペリオル湖の水量の約半分に相当します。
また、全ての砂漠に水を撒く為には、世界のGDPの4倍に相当する336兆ドルもの費用も発生します。そして、これを5年ごとに繰り返す必要があるのです。とても現実的とは言えません。
もし仮に実現できたらどうでしょうか?地球上の全ての砂漠が植物を育てられる土地になると、砂漠の周辺にある農場や村で、より多くの食料を育て、生活を豊かにすることができるようになります。また、砂や埃の嵐で道路や鉄道がストップすることもありません。
しかし、それでも意外なデメリットがあります。それは、アマゾンの熱帯雨林をすべて失ってしまうかもしれないという事です。
地球上で最も暑い砂漠であるサハラ砂漠の砂は、風に乗って大西洋を渡り、南米までやってきます。そして、その砂には水分が含まれており、それが雨となってアマゾンに降り注ぎます。
つまり、砂漠の砂はアマゾンにとっては重要な存在なのです。そのため、砂漠を完全に緑化してしまうと、このサイクルが阻害され、アマゾンの熱帯雨林が失われる可能性があります。
アマゾンには、多くの二酸化炭素を吸収することで、気候変動に対抗するという大きな役割もあります。これがなくなれば、地球上の環境バランスが崩れ、気候にも悪影響を出すかもしれません。
砂漠を農地に変えるという技術は、地球上で最も過酷な環境に持続可能な農業成長をもたらす事が出来ます。しかし、ある場所での一歩一歩の前進は、アマゾンのように他の場所での犠牲を伴うこともあるのです。