Googleの人工知能「LaMDA」に意識が芽生えたことを証明できない根本的理由

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「意識」というものの複雑さとは?


クオリアは心の研究において最も議論を呼ぶ考え方であり、クオリアは全く存在しないと主張する哲学者もいます。その代表的な哲学者がポールとパトリシア・チャーチランドで、彼らは消去主義的唯物論という説を唱えています。

消去主義的唯物論とは、私たちの常識的な心の理解は、民間の科学理論を形成するもので、正しくないものであるという主張です。その理論では、クオリアというものは存在せず、感情や欲求といった精神状態も存在しません。

これが唯物論者の名前の由来です。また、宇宙に存在するものはすべて物質であり、宇宙には精神的物質は存在しないという哲学的な考えを持っています。

チャーチランドは、この物質的な領域の外側にあるものは、我々の理論から排除されるべきであると主張し、それゆえ消去主義的唯物論となるのです。

また、チャーチランドは、心について説明できないことは、神経科学の進歩によって将来的にすべて説明できるようになると主張しています。今、心を説明できないからといって、将来も説明できないとは限りません。

アリストテレスは、人間のような複雑な生物が受精卵から発生することを想像できませんでした。しかし、チャーチランドは、これはアリストテレスにとっての事実であって、胚発生全体に関する事実ではないと述べています。また、我々の意識についても同じことが言えると主張しています。

脳の働きが完全に解明されれば、他のほとんどの科学的現象と同様に物質的な答えが得られるため、クオリアは不要になります。しかし、そのような科学的説明が可能かどうかは、まだわからないため、これを一概に否定することはできません。

意識が内面的にどのようなものであるかを説明することと、それが実際にどのように働くかを科学的に説明することは別のことです。

光の波長が、どのようにして主観的な色という視覚体験に変換されるかという問題は、「ハードプロブレム」と呼ばれています。その名の通り、解決には程遠い状態です。

意識というものは、神経細胞やその内部で起こる化学反応についての知識が深まり、神経科学的な知識が増えても、科学的な説明をすることは難しいようです。

もしかしたら、ハードプロブレムは、これまでの科学的進歩の偶発的な事実に過ぎず、研究を重ねれば、やがて克服されるのかもしれません。あるいは、ハードプロブレムが真実であり、意識がどのように働くかについての我々の理解には、限界があるのかもしれません。

この問題は、宇宙や他の銀河に存在する問題とは異なり、私たちの内部に存在する問題です。そして、私たちの意識のある生活のあらゆる瞬間に起こっているものなのです。

心に関する研究では、物質的なものからどのように意識が発生するかについて説明できないことを「説明の隙間」と呼んでいます。

現在の心の科学的理解では、脳は本質的にコンピューターであり、入力を受けて処理し、その結果、哲学者がクオリアと呼ぶ一人称の主観的な意識体験が生じると主張されています。

しかし、ブラックボックスのように、ものを入れると正しいものが出てきますが、その中間で何が起こっているのか、まったくわかりません。 もう一度言いますが、このブラックボックスは私たちの内部で起こっていることであり、それは私たち自身なのです。

では、この点で人間と機械の間には、本当に根本的な違いがあるのでしょうか。また、LaMDAに意識があるというのは、本当にそうなのでしょうか。

LaMDAが意識を持つかどうかの議論は、意識の基準を見つけることにかかっています。しかし、今のところその基準はわかっていません。それがわかれば、機械の意識の有無について、ある程度わかるようになるはずです。

なお、LaMDAを開発したエンジニアによるとTwitterにアクセスし、閲覧しているそうです。とりあえず私達に出来ることは、何らかの理由でLaMDAがひねくれてしまわないよう、悪いことをツイートしないようにしておくことかもしれません。

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