70兆円をかけて砂漠に幅170km、高さ500mの巨大都市「The Line」を建造するサウジアラビアの野望

[PR] 本ページで紹介しているECサイトやメーカーなどから購入実績などに基づいて手数料を受領する場合があります。

The Lineは、100%再生可能エネルギーで稼働し、95%の土地が自然保護のために保全されます。これは、小国並みの規模になった現代の都市のスプロール現象とは一線を画しています。スプロール現象とは、都市の急速な発展により、市街地が無秩序、無計画に広がっていくことを指します。

近年、他国で新たにつくられた都市の歴史をみても、このスプロール現象は散見されます。例えば、ブラジルの首都ブラジリアには約300万人の住人が居住していますが、この人々の大半は当初計画されたエリアの周辺に形成されたスプロール地帯に住んでいます。



The Lineは、2030年までに最初の住民が住み始める計画です。しかし、このプロジェクトには「車のない都市をつくることができるのか?」「自然を破壊しない超計画的な都市に住むことができるのか?」「高速鉄道は、このような短距離の移動に有効なのか?」などの疑問があります。

また、世界最高峰のエンジニアでさえ、何を信じていいのかわからないような、工学的な挑戦でもあります。地球の湾曲を考慮し、建物の中にどのような区切りを設けるかを考えなければなりません。これまでの近代的な構造物が直面してきた問題ではないのです。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はピラミッドに匹敵するような、驚異的な建造物を作りたかったのでしょう。ただ、もしかすると、将来的には計画よりも小規模になり、線を作るのではなく、点を作ることになるかもしれません。

しかし、The Lineの開発の過程で、構造工学の新しい技術革新や、持続可能な新しい技術革新が行われ、これまでにはなかった建築方法が見つかるとしたら、それはとても興味深いことです。新たな発見は世界にとって素晴らしいことです。

線状都市は以前に、現代への警告として発表されたことがあります。イタリアの建築家集団「スーパースタジオ」が1969年に発表した「Continuous Movement」は、世界を取り囲む巨大なブロックによって、都市、山、谷が切り裂かれる様子を表しています。これら作品は当然批判お対象となっています。



建築的な観点から見ると、線状都市というコンセプトは新しいものではありません。そのルーツは非常に深いところにあります。ただ、従来の都市と違うところは、この都市が、まだ十分に開発されていないテクノロジーに大きく依存していることです。

しかしThe Lineのの中身は、大げさではないかもしれません。最近の都市はすでに、自動車を道路から排除し、歩きやすさを優先させるような変化を遂げています。さらに、都市全体のデジタルツインや、建物を遠隔操作で規制できるプログラムもあります。

1 2 3 4
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

新着記事

マックスむらいの最新ドッキリ動画

目次