カラスは「ロジカルな予測能力」がヤバい。研究者が実験で証明

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カラスがとても頭のいい動物であることはよく知られています。ドイツのテュービンゲン大学の研究者たちによって、カラスは「統計的推論」を行うことが初めて発見されました。カラスの知能について、科学メディア「Ars Technica」が解説しています。

*Category:サイエンス Science *Source:ars TECHNICA ,cell

カラスの脳がもつ驚異的能力


アメリカには2700万羽を超えるカラスが生息しています。カラスは体の大きさの割に脳が大きく、人間の統計的・分析的推論に関連する前脳が特に発達しています。そのため、小枝を使って木の皮から虫を取り出すことができるなど、カラスが行う様々な「知的」活動が発見されてきました。7歳の子供と同じ知能を持つと言う専門家もいるほどです。さらに足し算や引き算なども行うことができるといいます。

カラスの統計的推論


テュービンゲン大学のフンボルトフェロー、メリッサ・ジョンストン氏は数年にわたりカラスを研究してきました。最近の実験で、ジョンストン氏はカラスの統計的推論をテストしました。統計的推論とは、状況についての限られた情報を使って結論を導き出し、意思決定を下すことです。例えば、友人同士でどのカフェに行けばより多くの席が空いているかを判断するときなど、人は日常的に統計的推論を意識せずに使っています。

実験では、まず2羽のカラスに、タッチスクリーンに映し出された様々な画像をつついて餌を獲得するよう訓練します。そして段階的に難易度を上げていきます。次はある画像をつつけば必ずご褒美がもらえるわけではない、というような確率の概念を導入します。2羽のカラスにそれぞれ異なる報酬確率に対応する2つの画像を見せどちらかを選ばせます。情報の組み合わせで報酬を最大化する方法を選ぶという課題が課されたのです。ここでカラスは、スクリーンに映し出された画像と報酬を得られる可能性との間の関連を学習するのです。すると10日間の訓練と5000回の試行で、2羽のカラスはより高い確率の報酬を選び続けました。さらにチームは1ヶ月後、カラスを再びテストしました。なんと、カラスは報酬の確率を覚えており、毎回最も高い方を選ぶことができたのです。


カラスは都市化にうまく適応した数少ない動物です。冬の間は暖をとるためにトンネルなどの人工的な構造物を利用することがよくあります。このような行動から、都市生態学者はカラスを「エクスプロイト(搾取)する」動物として分類しています。ジョンストン氏のチームが発見したように、この搾取の一部は鳥の統計的推論能力によるものかもしれません。

研究が進むにつれ、カラスの知能が明らかになり、カラスに対する一般的な認識も変わりつつあります。歴史的に、カラスやワタリガラスは死を象徴していました。しかし、カラスの知能の高さを理解する人は増えてきています。研究を通して、都市部のカラスと人間との関係を改善し、カラスが私たちに何を示しているか認識できるようになるかもしれません。

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