ブラジルに生息する「クロドクシボグモ」の毒は陰茎の壊死を引き起こし、酷い場合は切断が必要になることもあります。しかしその毒は、少量であればバイアグラと同様の効果があることが判明しました。このクモの毒について海外の科学メディア「Science Alert」が詳しく解説しています。
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クモの毒から「バイアグラ」と同様の効果が確認される
このクモが放つ大量の毒は、哺乳類の勃起を引き起こします。そして大変な痛みを伴い、異常に長時間続きます。この勃起は専門的にはプリアピズムと呼ばれ、さらに吐き気と腹部のけいれんを引き起こします。このクモはバナナの葉によくつくことから、バナナグモとしても知られています。体の長さは5cmで、脚はその3倍にもなります。
ブラジルのミナスジェライス連邦大学の科学者たちは、勃起を引き起こす毒の分子を人工的に開発することに成功しました。この分子はBZ371Aと呼ばれ、ジェル状にしてマウスの股間に塗ったテストでは、勃起が誘発されました。
このような効果が起こるのは、クロドクシボグモの毒(およびBZ371A)が体内で一酸化窒素の放出を誘発し、性器への血流を高めたからです。バイアグラは、一酸化窒素が放出されると、陰茎を一酸化窒素に対してより敏感にすることによって、同様の働きが起こります。さらに良いことに、この治療法は高齢のラットや高血圧や糖尿病などの疾患を持つラットにも有効であったことから、同じ理由でバイアグラを服用できない人間にもこの方法が有効である可能性が示唆されました。
バイアグラやシアリスなどの別の抗インポテンス薬は、多くの人に非常に効果的ではありますが、約30%の男性には効果がありません。また、胸痛の治療薬として処方されることが多く、セックスの際にレクリエーション的に使用する人もいる硝酸剤と一緒に服用すると、血圧が低下する危険性があります。また、重篤な心臓疾患や肝臓疾患のある人には合併症の可能性もあります。
このジェルが本物のバイアグラの代替品であるかどうかを判断するには、今後さらなる研究が必要ですが、男女を対象としたパイロットテストはすでに実施され、人々が使用しても安全であることが示されています。さらに臨床試験が計画されており、勃起不全の男性を対象にテストされる予定です。また、女性の性機能障害にも効果があるのではないかと研究者たちは期待しています。
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