iPad 3 には 2コア CPU が搭載される?CPU のコア数と性能の関係を考える。

現在 iPad 3 には2コア CPU が搭載されるとの噂が有力視されています。その前は4コア CPU を搭載するのではないか、という噂もありました。

そこで気になるのがコアとは一体何なのかということ。また、コアが増えるほど性能が良くなるのであれば、なぜ思い切ってもっと増やさないのかは気になりますよね。

今回は、そんなコアの数と性能との関係をご紹介し、さらには iPad 3 にはどんな CPU が搭載される可能性が高いのかを検証します。

はじめに

この記事は現時点で判明している事柄をベースに、執筆者が推測した内容で構成されています。よって、実際に Apple が発表する iPad 3 とは性能・ハードウェア構成などが異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

CPU とコア

CPU とは皆さんご存知の通り、中央演算装置の略称です。コンピュータを構成するパーツの1つで、プログラムに基づいて計算を行う際にはここがメインとなります。

iPad2 や iPhone 4S には A5 プロセッサ、iPhone 4 には A4 プロセッサという名前の CPU(正確には GPU も含みます)が搭載されています。

そして CPU の中にはコアと呼ばれる部分が存在します。ここが計算を行います。よって、CPU の性能はコアの性能にほとんど依存していると言えます。

なぜコアを増やすのか

コンピュータの性能向上を図るに当たって重要なのは CPU です。もちろん、ほかの要素もコンピュータの性能には関係しますが、重要度で言えば CPU がダントツでしょう。

昔は性能向上のために CPU の数を増やそうとした

何故かというと、1つの CPU の性能を向上させるには技術的な、あるいは物理的な限界があったからです。だったら CPU の数を増やしてしまおう。そうすれば計算できる能力が2倍に増えるはずだ。そう考えたわけです。

しかし、この方法には問題がありました。第一に消費電力の問題です。CPU を2つにすれば消費電力は単純に考えて2倍になります。第二に発生する熱の問題です。熱も倍に増えます。第三にスペースの問題があります。CPU を2つ設置するとなれば、その分のスペースが必要になります。

また、2つ以上の CPU をいかに同期するかという問題もありました。

そこで…

CPU の代わりにコアの数を増やす

先程もご紹介したようにコアは CPU の中で計算を担うパーツです。これを1つの CPU で2つに増やせば、CPU を2つにしたのと同じ効果があるのではないかと考えたのです。

また、同じ CPU の中にあるので同期もしやすくなります。

この方法なら消費電力も CPU を2つにするよりは少なくなりますし、そうなれば発生する熱の量も少なくなります。また、設置に必要な場所もCPU 1つ分で済みます。

そこで今日では高性能の CPU を2つ4つと搭載するのではなく、コア数を2つに増やしたデュアルコア CPU 、あるいは4つに増やした クアッドコア CPU が主流になりました。

コアの数が多いほど性能は良い?

ここで1つの疑問にぶつかります。コア数が多いほど性能が良いなら、なぜデュアルとかクアッドで止まっているのでしょうか。100コア CPU があっても良いはずです。

これには理由があります。

理由1:対応ソフトがなければ意味がない

コア数が多くても、こういったマルチコア環境に対応しているソフトがなければ、これを有効活用できません。

例えば、1つのコアにしか対応していないソフトは、コアが100個あっても1つしか使いません。残りの99個は休んだままです。これでは意味がありません。

iOS の場合、標準アプリと iOS の基本機能はデュアルコア CPU に対応しています。また、デュアルコアに対応したアプリは App Store でもその数を増やしているようです。

理由2:性能を活かし切れない

スーパーコンピュータと違って iPad などのパーソナルコンピュータは簡単な計算を行うことが多いです。そういった短時間で終わる計算をコアの数だけ分散して行うので、コアが多いほどその性能をフルには活かし切れないのです。

コア数の多い CPU は単純な性能向上というよりも、どちらかといえばゲームをしながら動画を変換するといった複数の計算を同時に行う、マルチタスク用途に最適です。

理由3:コア数が多いと消費電力が増える

コア数が多ければ多いほど CPU の消費電力は増えます。しかし、コアの数はそのままに消費電力を落とすとなれば、1コア当たりの計算能力は落ちてしまいます。

そうなってしまってはコア数を増やす意義はどこにもありません。

コア数を増やさない理由

技術革新が進んだ結果、1コア当たりの計算能力を強化できるようになったので、100個ものコアを載せた CPU というのは現実的ではなくなりました。

よって、現在では2コアあるいは4コア CPU が主流なのです。

ちなみに先日発表された ZMS-40 は、正確には 100コア CPU ではありません。

iPad 3 に搭載されるのは2コア CPU?

さて、ようやく iPad 3 の話に戻ってきました。

iPad 3 に搭載される見込みが高いのは A5X プロセッサと呼ばれています。これは iPad 2 に搭載されている、2コア CPU を内蔵した A5 プロセッサの改良版とされています。つまり A5X も2コア CPU を内蔵している可能性が高いわけです。

すでに Android タブレットには4コア CPU を搭載したモデルが多数あります。そういった状況で iPad 3 が 2コア CPU だというのは性能が不足しているように感じられます。

A5 プロセッサは電力消費が多い、A6 プロセッサは…

しかし、A5 プロセッサは現時点でも電力を非常に多く消費すると言われています。

初代 iPad から iPad 2 に移行した人の中にはバッテリの持ちが悪いと評する方もいました。また、同プロセッサを搭載した iPhone 4S は、1コア CPU を内蔵した A4 プロセッサを搭載する iPhone 4 よりも連続待受時間が100時間短くなっています。

こういった現状を踏まえると、ただでさえ大食いの A5 プロセッサよりもコア数を増やした A6 プロセッサを採用することは、あまりにも無謀ではないでしょうか。

また、4コア CPU にしたからといってその性能をフルに活用するには、これに対応したアプリが必要であることは先にも述べた通りです。さらに1コア当たりの性能がある程度向上できるのであれば、コア数だけをむやみやたらに増やす必要もありません。

特に iOS はバックグラウンドでのアプリの動作については確固たる設計思想があり、事実上 PC や Android のようなマルチタスクは成立していません。よって、マルチタスクのためにコア数を増やす必要性は薄いと考えられます。

消費電力の問題はバッテリを大幅に増強すれば解決できますが、iPad はモデルチェンジを繰り返すごとに厚み・重量を減らしています。いまさら初代 iPad 並のサイズで発売するとなれば批判は免れないでしょう。

現時点では A5X 採用説が有力

よって、省電力化とクロックアップを図った2コア CPU と強化版 GPU を内蔵した A5X プロセッサが iPad 3 に搭載される可能性が高いと考えられるのです。

逆に言えば、消費電力あるいはバッテリの問題を解決できれば4コア CPU を内蔵した、A6 プロセッサが iPad 3 に搭載されるという噂が現実味を帯びてきます。

GPU 強化が望まれるワケ

なお Retina Display の採用は4コア CPU とペアだという論理も一応は成立しますが、グラフィックの描写を担当する GPU の性能強化が順当な対応ではないかと考えられます。

というのも Retina Display のように一度に描写する画像のサイズが増えれば、その分だけ負荷が増すのは CPU よりも GPU だからです。よって、A5X プロセッサには A5 プロセッサよりも強化された GPU が搭載されるのではないかと考えられるのです。

最後に

というわけで、 CPU のコア数が多いからといって必ずしも性能が良いという訳ではないという理由をあれこれご紹介してきました。

コアは多いに越したことはありませんが、その際の一番の問題はバッテリとの兼ね合いです。計算能力が優れていても30分しか使えないのでは意味がありません。さらにこの駆動時間を長くするために重さや厚みが増えるのでは「性能が良い」とは言えません。

その意味で「性能」とは各要素がいかに調和されているかということを示す指標であると言っても過言ではないかもしれません。

その点、Apple は OS からハードウェアまですべてを1社で開発しているため、他社に比べて「性能が良い」デバイスを作るのに長けています。

それだけに期待も高まります。果たしてどんな iPad が発表されるのか、楽しみですね。

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