神ゲー=不自由な自由+ロールプレイ+ボタンを押す楽しさ【オクトパストラベラーレビュー】

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久々に、徹夜をして遊びたいゲームに出会いました。

なんというか、先に進みたくなるどうこう以前に、コントローラを握って遊んでいること自体が楽しい。

頭を空っぽにして、心の底から夢中になれる神ゲー。スクウェア・エニックスが7月13日(金)に発売するNintendo Switch用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』のレビューをお届けします。

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6月15日に配信された新たな体験版は全8人の主人公を誰でも自由にプレイでき、製品版にデータ引き継ぎも可能です。

▼『オクトパストラベラー』の神ゲーっぷりを感じられる総集編動画。「おもしろそう」と感じた人は、その直感を信じましょう。

個人的な経験則ですが、「不自由な自由」「ロールプレイ」「ボタンを押す楽しさ」は、書籍や映像作品とはまた違う「ゲームならではのおもしろさ」であり、これらを備えたゲームは神ゲーだと感じることが多いです。

その点、本作は『ブレイブリーデフォルト』の開発スタッフ(浅野智也さんや高橋真志さん)が携わっており、また、多くの秀逸なRPGを手がけてきたアクワイアが開発に参加していることもあり、本当にいい意味で「ゲームゲームしたRPG」となっています。

そんな僕的な「神ゲー三原則」を満たした『オクトパストラベラー』を遊んだ感想をどうぞ!

目次

不自由な自由の楽しさ:ほどよいルールの存在がゲームプレイの深みを増す

『オクトパストラベラー』のキーワードの1つが「自由度の高さ」。8人の主人公が存在して自由に冒険をできますし、村人と自由に戦ったり、仲間に誘ったり、果てにはアイテムを盗んだりすることまでできます!

自由度が高いゲームって、プレイヤーそれぞれの遊び方やドラマが生まれるため、おもしろいゲームになることが多いですよね。

じゃあ、『オクトパストラベラー』がいわゆる「オープンワールド系」のゲームかというと、そうではありません。村人と戦えるからといってすべての人と戦えるわけではありませんし、自由に冒険できるからといっていきなりラスボスと戦えるわけではありません。

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でも、「だからこそ、いい!」と僕は感じます。こういうルールに縛られた、ある意味で「不自由」なところがあるからこそ、そのなかでの自由な遊び方を探すのが楽しいわけで。

「物語的に通せんぼしている人」がいるとして、それを問答無用で倒して進めるからおもしろいのではなく、その場合は「物語的な解決手段を探すこと」が楽しいわけで。そこを混同して自由度を高くしすぎても、それはゲーム的な体験を薄めるだけになってしまいます。

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いい意味で「開発者の手のひらの上で遊ぶ」ことは心地よく、『オクトパストラベラー』はその「ほどよい自由」が絶妙なバランスだからこそ、おもしろいんですねー!

また、『オクトパストラベラー』の場合、キャラの育成に関する自由度は非常に高くなっています。また、主人公ごとのメインストーリー自体には分岐がありませんが、どのように世界をめぐるか、そして誰を仲間にするかによって、冒険の難易度やプレイ体験は大きく異なります
(「剣士」で遊び始めて回復役の「神官」や魔法攻撃役の「学者」を仲間にして遊ぶルートと、商人や盗賊、薬師など、ちょっと特殊な職業を中心にしたルートでは、戦い方が変わりますからね)

▼個人的にイチオシの女性商人トレサ。前向きでまぶしくって、王道RPG的なストーリーを楽しめそうです!
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そして、主人公ごとのドラマ性が重視されたメインストーリーに対して、サブストーリーは複数の解決方法が用意されているものもあり、プレイヤーそれぞれの遊び方ができるところがポイント。

この部分の自由度の高さは、かつてテーブルトークRPGで無茶な行動をとってゲームマスターを困らせていた僕にとっては、自由な発想力を試されるようで、本当に楽しく遊べるわけです。

例えば、「最近、めっきりニジザケの数が減っちまったんだ……」と困っている漁師を助けるための方法は1つじゃありません

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魚が減ったなら、それを呼び寄せるためのエサを探せばいいんじゃない? ということで、対象のアイテムを町の人々から「買取る」や「盗む」で手に入れ、漁師に渡すことでサブストーリーをクリアすることができます。

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その一方で、「なぜニジザケが減ったのか?」を考えて行動するアプローチも有効です。

川の上流を探索すると、ニジザケを乱獲している人物を発見! これが原因でニジザケが減ってしまったんですね。

というわけで、乱獲者に対して「試合」や「けしかける」でバトルを挑んで倒すことでも、ニジザケ減少の原因をなくして、漁師を助けることができるわけですね。

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このように、サブストーリーのクリア方法は1つではなく、さまざまなアプローチで解決を狙えます。このへんの自由度の高さは純粋にワクワクしちゃいますよね!

ロールプレイの楽しさ:ゲーム内の人物になりきって遊ぶことが可能

かつて僕の知り合いに、「お姫様プレイをするために、アクションゲームなのに、あえて走らない」という謎のロールプレイに徹する人がいました(笑)。

まあ、そこまでやるかどうかは別として、テーブルトークRPG世代は特に「なりきり」を楽しむことが好きです。言い換えれば、自分ならではの「こだわりプレイ」を楽しめる要素があると、うれしいんですよね。

その点、『オクトパストラベラー』は主人公ごとに「フィールドコマンド」と「固有アクション」が用意されており、さまざまな「なりきりプレイ」を楽しめます。

▼主人公の個性を際立たせるフィールドコマンド。
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▼固有アクションもユニークなものばかり。特にアーフェンの「調合」は頼りになりそう!

ざっと見ただけでも、オルベルクで世界各地の強者に挑む武者修行プレイができそうですし、盗賊のテリオンの「盗む」を生かした、アイテム購入なしの「盗みオンリープレイ」なんてことも楽しめそうですね。

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くわえて、フィールドコマンドには一定レベルが必要なかわりに必ず成功する「正道」と確率で成否がわかれる「邪道」と、2つのベクトルがあるところがまた……たまりません!

大事な家族の形見の品なんかは、「正道」の「買い取る」では売ってもらいにくいと思いますが、「邪道」な「盗む」なら早い段階から手に入れることができそうですよね。そんなアレコレを妄想するだけでも楽しい!

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こういった主人公ごとの特徴を生かした「なりきりプレイ」もさることながら、キャラカスタマイズの自由度の高さも神ゲーたるポイントです。

攻撃や回復など、職業ごとに用意されたアビリティは、バトルで獲得できるJP(ジョブポイント)を使うことで好きなものから習得できます。

学者を例にとると、「火・氷・雷」と3つの属性の基本的な魔法アビリティを順番に覚えていくか、属性が偏っても「火」の上級魔法アビリティを優先して覚えていくか、消費SPが低い基本アビリティは無視して消費SPが高い強力な魔法アビリティ優先で覚えていくか、どんな覚え方でも構いません。

パーティ全体のバランスを見ながら、自分好みの戦法を組み立てるべく、アビリティを覚えていけるわけですね。

くわえて、ゲームが進むと主人公たちが本来持っている「ベースジョブ」とは別に、もう一つの「バトルジョブ」をセットできるようになり、戦略の幅が一気に広がります。

「バトルジョブ」を装備すると、装備するジョブに応じたパラメーターの補正や、装備できる武器が増えるほか、そのジョブのアビリティを習得可能に。

▼バトルジョブを装備するとキャラクターの外見も変化。こういう細かい演出、本当にうれしい!

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▼商人トレサに踊子のバトルジョブをセット。商人の多彩なアビリティに加え、踊子の強力な全体攻撃や各種パラメーター強化技などの援護が可能になります。
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▼薬師のバトルジョブを装備した、剣士オルベリク。斧も装備できるようになったので敵の弱点を狙いやすくなるほか、強力な斧技や回復技も使えるようになります。
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「剣士+学者」「商人+踊子」など、バトル的にもロールプレイ的にも、いろいろと想像力が刺激されますね!

ボタンを押す楽しさ:ブーストする際の「シュバババ」感が好き!

僕の持論というか個人的な感覚ですが、子どものころからずっとコントローラでゲームを遊んできたこともあって、タッチ操作よりもボタン入力をする感覚が好きなんですよね(あくまで感覚レベルで、それでゲームのおもしろさが変わるわけではありませんけど)。

そんな前提で『オクトパストラベラー』のプレイフィールの話ですが……「ボタンを押す」という楽しさがしっかりと盛り込まれています。

細かいところですが、村人に近づいた時に「Aボタンで会話」「Yボタンでフィールドコマンド」というボタンの使い分けがあるところが、個人的には地味に楽しい(笑)。ボタンの使い分けって、ゲームの基本じゃないですか。

「邪道」系のフィールドコマンドで、低確率のものを「盗む」時とか、無意味だとわかっていても念じながら強く決定ボタンを押したくなるじゃないですか。そんな塩梅。

そして何より「ボタンを押す楽しさ」が感じられるのが、バトル中にブーストを使う時のこと。

本作ではRボタンを押すことでBPを消費して行動を強化できます(通常攻撃の回数が増える、アビリティの効果が強化されるなど)。

▼画面右上のキャラクター名の下に表示されているオレンジ色の丸がBPで、通常は最大5ポイントまで蓄積可能。BPは一度に3ポイントまで消費できます。
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かなり頻繁にRボタンでブーストを使うのですが、その時の「シュバ(ブースト1回)」と「シュババ(ブースト2回)」と「シュバババ(ブースト3回)」とボタンを連打する感覚が、なんか気持ちいいんですよね。

慣れてくると、格ゲーの「小パンチ×3」にも似た感じで、指が回数と感覚を覚えてきちゃったりして、なおさら気持ちよくなっちゃいました!
(逆にどう戦うか悩む局面だと、「シュバ……シュバ……(ブースト2回で足りるかな……1回でいいかな……)」なんて、Rボタンを押す速度に迷いが生じたりなんかして、不思議な感覚も味わえました。苦笑)

個人的には、『ブレイブリーデフォルト』のブレイブで行動回数を増やす時のボタン連打感覚にも似ていて、気持ちよく遊ぶことができました。

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このへんは個人差が大きい部分だと思いますが、少なくとも僕は『オクトパストラベラー』を遊んで、しみじみと「コントローラで遊ぶゲームって、やっぱ好きだなあ」と思い知らされたので、ちょっと強調してアピールさせていただきます。

まとめ:「終わりがある」=エンディングがあることも、またよきかな

本当にもう、『オクトパストラベラー』は僕にとって神ゲーで、主人公ごとのストーリーとか、シーンに応じた名曲ばかりの音楽とか、ブースト&敵の弱点を狙ったブレイクが重要となるバトルシステムとか、まだまだ語れていないことだらけです。
(バトルシステムの楽しさは、別のライターがレビューに書いていたので、詳しくはそちらで)

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時代的に、RPGというジャンルでもアクション性やリアルタイム性が重視され、かつ3Dグラフィックでの表現が基本となっている今の時代に、あえて「HD2D+ターン制コマンドバトル」という道を選んだ『オクトパストラベラー』。

それでいて、単なる「レトロゲーム時代の懐古主義」を再現するわけではなく、フィールドコマンドやブースト&ブレイクシステムなど、「今までにない新しさ」をしっかりと生み出しているところが、本当にすごいです。

▼敵の弱点を突くとシールドポイントを減らすことができ、ゼロにするとブレイク! 敵の攻撃をキャンセルできるだけなく、大ダメージをあたえられるようになります。
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このゲームが日本のRPGにパラダイムシフトを起こすかどうかと言われれば、ちょっと違うと思いますが(ターン制コマンドバトル全盛の時代に戻ることは、さすがにないでしょうし)、『オクトパストラベラー』のシステムは「ターン制コマンドバトルのニュースタンダード」になりうるポテンシャルを秘めていると思います。
(特に、ターン制RPGのネックである「パターン作業になりがち」という部分が、BPを管理するブースト&ブレイクシステムによって「パズル的な戦略性の楽しさ」に昇華されている部分は、本当に見事だと思います)

最後のイチオシとして、もう1つだけ言わせてください。それは、『オクトパストラベラー』にはエンディングある=「終わりがある」ということ。

これも個人的な事情が多くて恐縮なのですが、ここ数年、自分はスマホ系の運営型ゲームを遊ぶことが多く、たくさんゲームを遊んでいるわりには「エンディングを体験すること」が本当に減っちゃったんですよね。
(当然ながら、ラストダンジョンやラスボスを攻略する際の「クライマックス感」もご無沙汰してます)

▼かなりアダルトで大人向けな物語が展開する踊子プリムロゼ。8人それぞれ毛色が異なるストーリーが用意されているので、ひとまず8人分のメインストーリーはクリアしたいですね。
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そんな中、『オクトパストラベラー』はちゃんと8人の主人公ごとに「終わり」が用意されています。開発スタッフのコメントによると、製品版にすべてを詰め込んでいるという感覚で、DLCもないようです。ゲームソフト1本できちんと完結するって……素晴らしい
(ただ、個人的にはむしろ、クリア後にも『オクトパストラベラー』の世界にひたりたいので、ファンの声が大きければDLCで追加ダンジョンとかも欲しいなあなんて思ってしまいますが)

てなわけで、人の好みはそれぞれですが、自分としては「神ゲー」として自信をもっておすすめできる1本です。クリア前なので、この後にどんな物語が待っているのか気になるところですが、少なくともここまで遊んだ感じでは、まず間違いないかと。

このゲームのためにニンテンドースイッチを買っても後悔しない出来なので、ぜひ『オクトパストラベラー』にご期待ください!

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