MacBookの筐体の薄さによるカメラの限界
高価なデジタル一眼レフカメラのレンズが巨大な理由は、最高の画質を得るためには、長い焦点距離と大きな口径が必要だからです。その結果、レンズが大きくなるのです。
つまり、カメラのためのスペースが少なければ、クオリティも低くなってしまうということです。
では、MacBookシリーズについて考えてみましょう。MacBookのカメラレンズのスペースは、わずか4mmです。
一方、iPhoneは7.6mmと、ほぼ2倍のスペースを確保しています。つまり、iPhoneは、より長く、より大きなレンズを搭載することができるのです。その結果、画質が格段に向上します。
iPhoneが2016年に1080pのフロントカメラを搭載したのに対し、MacBookシリーズが5年後の2021年までカメラのアップグレードを受けなかったのは、このことが要因になっています。
問題は、iPhoneのカメラは2016年以降、さらに向上していることです。そのため、iPhoneとMacBookのカメラを比べると、品質に大きな差があります。
ただAppleも、MacBookの物理的な制約から、iPhoneに匹敵するカメラシステムは決して作れないことを理解しています。
そのためAppleは「macOS Ventura」で「Continuity Camera」という新機能を追加し、iPhoneをMacBookのウェブカムとして使えるようにしました。
これで、MacBookの超薄型デザインを犠牲にすることなく、ユーザーは高性能カメラを利用できるようになったのです。