地球の「自転高速化」問題にGoogle・Amazon・Metaが本気で挑む理由


地球の1日は正確な24時間ではなく、毎日少しずつズレています。地球の自転速度と協定世界時 (UTC)のズレを調節するために、利用されているのが「うるう秒」です。

しかし、Google、Meta、Amazon、Microsoftなどの企業は、うるう秒の制度を廃止したがっています。その理由について、科学系メディア「iflscience」が解説しています。


*Category:テクノロジー Technology|*Source:iflscience,Meta,wikipedia

「うるう秒」と「負のうるう秒」とは、どのようなものなのか?


現在、地球は太陽の周りを1周する間に、自転を365回強行っています。しかし、古代のサンゴを見ると、昔は今よりもずっと速く回っていたこと分かります。なんと数億年前は、地球は自転を420回も行っていたのです。

サンゴは成長する過程で、毎日細かい炭酸カルシウムの層を形成しています。そして、サンゴは雨季よりも乾季に成長するため、季節ごとの炭酸カルシウムの堆積の線を数えれば、1年の日数を算出することができるのです。木の年輪をより正確にしたようなものです。

これによって、4億4400万年前から4億1900万年前までは、地球は太陽の周りを420回回っていて、それから数百万年後には410回に減速したことが分かったのです。

自転速度の変化は、海面の変化や地球内部の変動などさまざまな要因がありますが、最大の要因は、月が地球から遠ざかっていることです。この2つの天体が相互に作用し、結果として地球の自転の速度を低下させているのです。

そこで導入されたのが、うるう秒です。うるう秒の歴史は1972年から始まり、今までに計27回追加されています。うるう秒の概念は、国際地球回転参照システムサービス (IERS)によって導入されました。


うるう秒は、一般人の日常の生活に大きな影響を与えることはありません。しかし、太陽時(太陽に対する地球の自転で測定)と協定世界時(UTC)を合わせている衛星通信に、大きな影響を与える可能性があります。

また、意外にも大きな影響を受けるのがGoogleやMetaといったテック企業たちです。うるう秒が追加される時は「23:59:59 → 23:59:60 → 00:00:00」と本来より1秒長くカウントされます。このようなタイムジャンプは、プログラムをクラッシュさせたり、データストレージのタイムスタンプがおかしくなってデータを破損させたりする可能性があるのです。

2012年には、アメリカのニュースサイトである「Reddit」の使用していたLinuxオペレーティングシステムがうるう秒を考慮していなかったために、大規模な障害が発生したことは有名な話です。

そのため、Google、Meta、Amazon、Microsoftなどは、うるう秒は今や害をもたらすと主張し、廃止を呼びかけています。

しかし今、国立物理研究所の時間・周波数グループの上級研究員であるピーター・ウィバーリー氏は、「過去50年間のどの時期よりも地球の自転が速くなっている」と述べています。

そのため、このまま地球の自転速度がさらに上がれば、これまでとは逆に1秒を削除する「負のうるう秒」が初めて使われる可能性があるとのこと。うるう秒だけでも大変な上、負のうるう秒の対処も行わなければならないというのは、テック企業にとっては受け入れがたい事実です。

Metaは「うるう秒は非常にまれな出来事であるため、それが起こるたびにコミュニティに壊滅的な打撃を与えます。あらゆる産業で時計の精度が求められる中、うるう秒は現在、障害や停電を引き起こし、良いことよりも悪いことの方が多いのです」と述べています。

また、Metaは、うるう秒に変わる新たな調整方法として、時計を遅くしたり早くしたりして、うるう秒を分散させるという手法を取っています。Metaの場合は17時間を費やして、うるう秒の1秒を消費しています。しかし、この方法も繊細なコントロールが必要で、失敗すると障害が発生する可能性があります。そのため、これも根本的な解決策とは言えません。

とはいえ、負のうるう秒が生まれることで、これまでのうるう秒と相殺され、この制度が無くなる可能性もあるそう。そうなれば、大手テック企業の不安も、時間のズレの問題も全て万事解決となるかもしれません。




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