ハッカー「人工衛星は4万円で乗っ取れる」その重大リスク


人工衛星というと大掛かりなものに聞こえますが、実は条件が揃えば簡単に乗っ取れることが明らかになっています。これについて、海外メディア「vice」が解説しています。


*Category:テクノロジー Technology|*Source:vice,independent

ハッカーが「DEF CON」で人工衛星のハッキングを実践


ラスベガスで開催されたハッキング会議「DEF CON」で、Shadytelというハッキング愛好家グループのメンバーの一人であるカール・コーシャ氏が、地球から35,786km離れた静止軌道上の衛星をハッキングする方法を解説しました。

コーシャ氏はこのイベントで、破棄されたカナダの放送衛星「Anik F1R」の未使用のアップリンク(衛星通信、あるいは衛星放送や衛星中継を利用するときに、地球局から通信衛星に向けて送信される通信経路のこと)にアクセスすることができ、衛星に信号を送ることを実践しています。

もちろん、このハッキングはAnik F1Rを所有するカナダのTelesat社の許可を得たものです。また、彼らが使用したAnik F1Rという衛星は、2020年に寿命を迎え2021年11月に、静止軌道よりもさらに遠い、いわゆる「墓場軌道」に移動する予定のモノでした。

今回ハッキングした衛星には、アップリンクと、衛星のトランスポンダ(受信アンテナと送信アンテナの間にチャンネルを開く装置)が、設置されたままになっていて、ハッキングすると衛星から映像を送ることができるようです。

彼は、2021年10月にハッキングした衛星から、サンディエゴで開催されたハッキング会議「ToorCon」の講演をストリーミング配信したり、夜間には「WarGames」などの映画をストリーミング配信しました。

また、帯域が広いため、ストリーミング配信だけではなく、電話会議用のブリッジに接続した音声放送も利用できるとコーシャ氏は述べています。

コーシャ氏は「接続できる技術があれば誰でも衛星を使える可能性がある」と語っています。実際に今回のアクセスに必要だったのは約300ドル(約4万円)するソフトウェア無線「Hack RF」だけでした。

実は、人工衛星は送られてきた信号を反射するだけです。認証も制約も何もないのです。

コーシャ氏は「そのトランスポンダに他のユーザーがいる場合は、他のユーザーよりも強い信号を出し続ける必要がありますが、そこに誰もいなければ信号を送り続けるだけで衛星はそれを繰り返します」と述べています。

つまり、人工衛星がアクティブに使われている間はハッキングは難しいものの、使われなくなったものは比較的容易に乗っ取ることができるということです。

また、会議では、ベルギーのセキュリティ研究者が手作りの回路基板を使ってスペースX社のStarlink衛星にもアクセスすることにも成功したとのこと。

人工衛星のハッキングによる大きな事件は今のところ起きていませんが、このような脆弱性は今後大きなリスクになる可能性があります。特に重要になる軍事衛星などのハッキングは、様々なハッキング集団から狙われる可能性がありそうです。

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