ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に「19個の隕石衝突」修復不可能なダメージを負ったことが判明


2021年に打ち上げられた「ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡」に、5月22日から24日にかけて、少なくとも19個の小隕石が衝突したことをNASAが発表しました。


*Category:テクノロジー Technology|*Source:space,livescience,mashable

隕石が衝突した「ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡」ミッションへの影響は?


NASAは6月、小隕石がジェームズ・ウェッブ望遠鏡に衝突したことを公表しました。そして、望遠鏡の被害が打ち上げ前に想定していたよりも大きいとコメントしています。

報告書では、その衝撃の大きさを物語る画像(右側が小隕石衝突後の画像)が公開されています。小隕石が衝突したのは、画像右下隅にあるC3ミラーです。ミラーセグメントの一部が白くなっていることが分かります。


専門家によると、この傷は「修復不可能」とのこと。しかし、望遠鏡の面積のごく一部が影響を受けただけなので、残りのミラーセグメントを再調整することによって今後もミッションは行えるそうです。

燃料消費量から計算すると、望遠鏡は宇宙で20年間使用できるはずでした。今回の小隕石の衝突が望遠鏡の運用にどの程度の影響を及ぼすかは判明していません。

小隕石は、地球近傍軌道を周回する宇宙船にとって身近な脅威です。アメリカの宇宙監視ネットワークは、軌道上にソフトボールほどの小隕石が23,000個以上あることを確認しています。さらに、それよりも小さな石は何百万個とあり、全てを監視することはできていません。

国際宇宙ステーションやハッブル宇宙望遠鏡は、時折隕石が衝突するにもかかわらず、現在も運用されている長期的なプログラムの1つです。

ウェッブ望遠鏡は地球から約150万キロメートル離れたラグランジュポイントの軌道を回っています。そのため、地球の近くを飛んでいる衛星などよりも隕石が衝突するリスクが高いといわれています。実際、打ち上げをしてから6ヶ月間は月に1回のペースで小隕石が衝突しているそうです。

このような現象がどの程度の頻度で発生するかについては、NASAが調査を行っている最中です。チームの報告では「2022年5月のセグメントC3への衝突がまれな出来事であったかどうかは、まだ明らかではありません」と述べられています。

また、ウェッブ望遠鏡は打ち上げ前のモデリングで予測されたよりも、小隕石による損傷を受けやすいのかもしれないと、研究チームは考えています。もし、そのようなリスクがあるのであれば、NASAは危険な小隕石の個体数を推定し、ポインティング方向の制限などの改善をするとのことです。

ウェッブ望遠鏡はC3ミラーへの予期せぬ衝撃にもかかわらず、6ヶ月の試運転の後、通常通り動作するようになりました。最近では、既知の星の中で最も高温で巨大な星が存在するといわれている、約16万1千光年の距離にある「タランチュラ星雲」の撮影に成功しています。


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