27億円の価値があるのに〝持っているだけで違法〟なコイン「1933年製ダブルイーグル」の数奇な運命

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実は米国政府がコインを盗まれたことを知る前に、エジプトのファルーク王が1944年にイスラエル・スウィット氏からこのコインを購入していたのです。しかも、米国国庫に輸出許可の申請もしていました。もちろん、国庫は「そのコインの所有は違法であり、あなたが持っているコインは明らかに1933年に米国から盗まれたモノのため返してほしい」と伝えるべきでしたが、手続きミスで輸出を許可してしまったため、1枚のコインはエジプトに渡ってしまいました。

米国政府はコインの返却を望みましたが、1944年は戦時中であり、エジプトもその渦中にあったため、米国はコインを取り戻そうとしている場合ではないと考えました。

その後、1952年にファルーク王が汚職などの理由でクーデターされ失脚します。そのため、コインは米国に返還される予定でした。しかし、そのコインは消えてしまったのです。

そして、1996年、コイン所有者であるイギリスのコインディーラー、スティーブン・フェントン氏が、このコインを売り出すまで、再び姿を現すことはなかったのです。フェントン氏は逮捕されましたが、長い法廷闘争の末、コインを売却し米国政府とフェントン氏で利益を分けることになりました。

このコインは匿名の買い手に759万ドルで売却されました。この価格は2022年現在でいうと1,220万ドル(17億円)に相当します。その後、2021年6月に再びオークションに出され1,880万ドル(27億円)で落札されています。

こうして数奇な運命を経て「1933年製ダブルイーグル」は世界で最も高価な〝20ドル貨幣〟となったのです。

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