インスタグラム崩壊。10億ユーザーの巨大なSNSを蝕む危機の正体
「TikTok」がソーシャルメディア業界に与えた影響
すべてのソーシャルメディア企業が頭を悩ませている主な要因の1つは、TikTokの存在です。TikTokは多くの人に批判されましたが、それでも2021年に最も訪問されたサイトになりました。
1日に24時間しかないことを考えると、このトラフィックはすべてどこかから流れてきています。そのどこかとは、InstagramやYouTubeなどの他のソーシャルメディアプラットフォームです。そして今後も、TikTokの支配がすぐに止むとは思えません。
この数年、私たちのアテンション・スパン(注意持続時間)は、ますます短くなっています。人々は映画やテレビ番組などの伝統的なメディアから、YouTube動画のような短編のオンライン・コンテンツを好むようになりました。
そして今、YouTube動画からTikTokのショートムービーに需要が移っています。
他のメディアが完全に取り残されるとは言いませんが、このままTikTokが優位に立ち続けると、他のプラットフォームから流出し続けることになります。正直なところ、これはソーシャルメディア業界では目新しいことではありません。
1990年代後半にソーシャルメディアが誕生して以来、ユーザーはあるプラットフォームから次のプラットフォームへと移り変わってきました。
以前は、Friendsterが人気でした。そして、Myspaceが登場し、その後、FacebookとTwitterが登場しました。この頃の人々は、コンピュータからスマートフォンに乗り換えました。
そしてInstagramやWhatsAppの時代がきました。しかし、今はSnapChatやTikTokが人気です。
これらのプラットフォームはいずれも数年以上トップに留まることはなく、数十年のうちに完全に見捨てられています。Instagramが2010年に登場したことを考えると、プラットフォームが立ち上がってから約12年が経過していることになります。
Instagramがまだ完全に廃れていないとしても、ピークに近づいていると考えて、おかしくはありません。
もうひとつ注目すべき点は、Meta自身が多かれ少なかれ、この運命を受け入れていることです。10年前、彼らは常にトップを維持するために、精力的に次の大きなプラットフォームを買収しようとしていました。
しかし、マーク・ザッカーバーグは、買収し続けることは持続不可能であると考えました。その結果、彼は会社の焦点をVRとメタバースにシフトしました。
そして、彼は会社の名前をFacebookからMetaに変えました。これはブランディングの観点からいうと決してやりたくないことです。
ザッカーバーグはメタバースに全力を注いでおり、今後5年間はメタバースによる多額の損失を覚悟するように株主に言っているほどです。
昨年だけで、Metaはメタバースに100億ドル(約1.3兆円)を費やしました。ザッカーバーグのスタンスを考えると、これがすぐに変わるとは思えません。
つまり、Instagramがユーザーに見捨てられなくても、いずれMeta自身によって取り残されるということです。
Instagramは、ユーザーにとって非常にノスタルジックな存在です。中学、高校、大学を通じて、ずっと使ってきたユーザーもいるはずです。
そして、若年層も定期的に使っています。そのため、この巨大なプラットフォームが徐々に衰退していくことを想像するのは難しいかもしれません。
ただ、人気のあるソーシャルメディアプラットフォームはすべて、同じことになります。MySpaceやFriendsterも、特定の世代にとっては非常に懐かしい存在でした。
しかし、だからといって、これらのプラットフォームの崩壊を止めることはできませんでした。15年前、MySpaceが崩壊するとは誰も思っていなかったはずです。
Instagramがオリジナリティを失い続け、Metaが新しいプロジェクトに焦点を移すにつれ、新しい世代がInstagramを見放す可能性はますます高まっています。
13~17歳の若者の間ではすでにこの現象が見られ始めています。そして、若者が成長するにつれ、今後10~15年の間にさらに露骨になることは間違いないでしょう。
そして今、人々がMySpaceやFriendsterを懐かしいと思うように、いずれInstagramも過去のソーシャルメディアプラットフォームとなっていくのかもしれません。
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