Twitter買収で始まる「マスクvsザック」世界的大富豪〝全面衝突〟の裏側

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世界屈指の大富豪である「イーロン・マスク」と「マーク・ザッカーバーグ」は、お互いを非難し合っています。2人が敵対するようになったきっかけと、争いの詳細について海外YouTubeチャンネル「The Infographics Show」が解説しています。



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*Category:テクノロジー Technology *Source:The Infographics Show,wikipedia(1),(2),Meta,Tesla,The New York Times

目次

イーロン・マスクとマーク・ザッカーバーグの知られざる確執


まずは、2人の経歴について解説します。マーク・ザッカーバーグは、大学生の時にFacebookを立ち上げ、巨大なソーシャルメディアネットワークを作り上げました。そこから、インターネットを介しての人々の出会いを劇的に変えました。現在、ザッカーバーグが運営しているソーシャルメディアは、画像共有サイトのInstagram、プライベートメッセージサービスのMessenger、国際チャットアプリのWhatsAppなどです。

彼は、ユーザーデータの扱い方法で論争を巻き起こしたこともありましたが、2021年10月の純資産は1180億ドル(約16兆円)で世界第7位の金持ちになっています。


一方、起業家であるイーロン・マスクは、 野心的な技術プロジェクトを好み、テスラのCEOとして電気自動車市場を支配し、インフラ企業であるボーリング・カンパニーや民間宇宙旅行会社であるスペースXを設立し、ニューロリンクでブレイン・インターフェースの研究にも携わっています。

マスクはまた、その奇抜な行動や過激なツイートでも知られています。彼は株価の変動を引き起こすツイートで連邦政府から罰金を科されたこともありますが、2021年10月の純資産は2020億ドル(約28兆円)で、世界一の富豪であることは揺ぎません。


ザッカーバーグの関心は主にデジタル領域で、マスクの関心は物理的なテクノロジーです。ここだけ見ると2人はあまり交わることがないように思えます。しかし、2016年、この2人はある出来事をきっかけに大きな衝突をしています。

スペースXはザッカーバーグが支援するInternet.orgの2億ドル(約270億円)の通信衛星を搭載し、億万長者同士の最初の大きなコラボレーションの1つとして、宇宙へ打ち上げられる予定でした。

ところが、その衛星は打ち上げられることはありませんでした。なぜなら、2016年9月、打ち上げ前のロケットで大火災が発生し、ロケットと衛星が利用できなくなったからです。このことは、スペースXにとって2015年の災難でロケットを失って以来の大規模な失敗でした。

マスクは落胆しましたが、ザッカーバーグは怒り、Facebookで「スペースXの打ち上げ失敗が我々の衛星を破壊した。深く失望しています」とコメントしました。この出来事が2人の争いの始まりとなります。


次に物議を醸したのは、2016年の大統領選です。大統領選ではFacebookにどれだけの誤報があるのかに注目が集まりました。さらに、何百万人ものFacebookユーザーの個人データが、英国のデータ会社によって密かに収集されていたことも判明したのです。

ここでの問題は、データが許可なく収集されたことだけではなく、それがどこに行ったかということです。その多くは、政治広告をFacebookユーザーに合わせるために利用され、使い方によっては、人々に誤解を与えることを容易にしていました。

共和党と民主党の意見が一致することはめったにありませんが、彼らは共にザッカーバーグを議会で証人喚問することを望みました。ザッカーバーグは、重大なデータ流出はなかったと主張しましたが、会社を解体するか、連邦政府の監督下に置かれる可能性は十分にありました。


また、ザッカーバーグを批判したのは政治家だけではありません。ロケットの打ち上げ失敗を非難されたマスクもFacebookを非難し出したのです。非難と同時にマスクは自分の会社のFacebookページの削除も行っています。


2人はその後も、昔の事件などを話題にして争っています。マスクはロケット打ち上げの失敗について聞かれると「少なくとも、その埋め合わせに無料で打ち上げをした。ザッカーバーグは損失について大騒ぎしすぎです」とコメントしています。

2020年、この確執は爆発することになります。Facebookのデータ規制をめぐる論争は、次の大統領選が迫る2020年まで続いていました。そして、多くの活動家がFacebookを規制するか解体するよう求めました。マスクも「Facebookを削除しろ、ダサい」とコメントしています。しかし、ザッカーバーグはこの言葉を、宣戦布告としか受け取らなかったでしょう。


他にも2人は、人工知能についての考え方でもぶつかりあったことがあります。マスクは人工知能が人類にとって脅威であると語り、我々がコントロールできないほど強力な知性を持つようになるとの見通しを提起しています。

しかし、ザッカーバーグはマスクの考え方を否定。彼はFacebookのLivestreamで、人工知能を最悪の事態と想定することがいかに無責任であるかを語り、未来について、もっと楽観的であるべきだと表明しました。 すると翌日、マスクはTwitterで、ザッカーバーグが人工知能についてあまり理解していないと非難し、再び戦いが始まりました。

この2人がこれほどまでにお互いを敵対するのは、考え方の違いもあれど、2人が有数の大富豪であることも関係しているのかもしれません。ザッカーバーグとマスクは多くの企業を所有しており、彼らの富は基本的にそれ自体で増えていきます。そのため、彼らは世界を変えることに目を向けており、それを実現するために競争しています。世界で数人しか自分と同じことができない場合、彼らがライバル視するのは当然で、機会がある度に打ち負かそうとするのです。

もう1つ、彼らが敵対する理由は、相手に視線を集めたいからかもしれません。ザッカーバーグのデータ管理問題やマスクの暗号資産に関する発言で、2人とも非難を受けています。もし、相手がより非難を受けることがあれば、自分への非難が少なくなるかもしれません。そのため、必要以上に相手を攻撃して自分から視線を逸らさせようとしているのです。


さらに2022年、マスクはTwitterを買収しました。Twitterの分野はソーシャルメディアネットワークであり、Facebookと同じ。ついにザッカーバーグとマスクは真のライバルとなったのです。

なお、米メディア「The Newyork Times」によれば、ザッカーバーグは買収の混乱に乗じて「Twitter対抗アプリ」の開発を目論んでいるとのこと。

ニューヨーク・タイムズ紙が閲覧した会話の投稿によると、メタ社の従業員が話し合ったアイデアの中には、写真共有サイト上でフォロワーや友人と短いメッセージを共有できる「Instagram Notes」という機能をより広範囲に展開することが含まれていたそうです。また、MetaはInstagramの技術を使ってテキストに特化したアプリを作るか、Instagramに別のフィードを追加すべきだと言う人もいました。

今まではSNSと電気自動車やロケットというジャンルの違うモノを取り扱っていたザッカーバーグとマスクですが、今後は2人の「バチバチの争い」が見られそうです。

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