人工衛星の急増は「地球規模の脅威になっている」天文学者が警告

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加速し続ける宇宙開発により、増え続けている人工衛星。これらの人工衛星について天文学者が、「自然に対する前例のない世界的な脅威」になっていると警告しています。

*Category:サイエンス、イノベーション Science,Innovation *Source:Science Alert ,Nature(1) ,(2) ,NASA

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人工衛星の急増がもたらす光害


地球低軌道にある衛星の数は、米スペースX社が数千個の衛星で構成される「メガコンステレーション」を初めて打ち上げた2019年以降、2倍以上に増えています。

これは、ニューメキシコ州で撮影されたスターリンク衛星の軌跡(Nature誌より)。さらに近々、新しいインターネット衛星群が打ち上げられ、すでに混雑している上空2,000キロメートル以下のエリアにさらに数千個の衛星が追加される予定です。


このような衛星の数の急増について、天文学者が警告しているのが光害です。

衛星が新しくなるたびに、地球を周回する他の物体に衝突して、さらに多くのデブリが発生する危険性が高まります。その結果、衝突が連鎖的に起こり、さらに小さな破片が生まれ、地球に光を反射する「宇宙ゴミ」の雲を増やしてしまうのです。

海外誌「Nature Astronomy」に掲載された一連の論文の中では、光害の理由と影響について詳しく説明されています。ある論文では、夜空が明るくなることで、主要な天文台の仕事にどれだけの経済的・科学的な影響があるかを初めて測定したと発表しています。


現在チリに建設中の巨大望遠鏡「ベラ・ルービン天文台」では、今後10年間で夜空の最も暗い部分が7.5%明るくなるとのモデル結果が出ました。この場合、天文台が見ることのできる星の数は約7.5%減少することになると、共同研究者のジョン・バレンティン氏は語っています。

その場合、天文台の調査に1年近くかかることになり、約2180万ドル(約28億円)の費用がかかるとのこと。さらに、空が明るくなることで、天体現象を人類が観測できなくなるという問題が発生すると指摘しました。

夜空が明るくなることは、プロの天文学者や主要な天文台に影響を与えるだけではない、と研究者は警告しています。サンフランシスコ大学の天文学者であるアパルナ・ヴェンカテサン氏はこの問題について「夜空と私たちの古くからの関係」をも脅かすものだと述べました。

宇宙は私たちが共有する遺産であり祖先であり、科学、物語、芸術、起源物語、文化的伝統を通して私たちを繋いでいますが、それが今、危険にさらされています。

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