火星の生命体をAIで探す、生息エリアを3%まで絞り込める新技術

火星で生命の痕跡を見つけることは、とても大変な作業です。しかし「AI技術」を活用すれば、火星での生命探査の苦労が大幅に軽減されるかもしれません。

AI技術がどのように活用されるかを、海外メディア「sciencealert」が解説しています。

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*Category:サイエンス Science *Source:sciencealert,nature

火星の「生命の痕跡」を探すことができるAIとは?


SETI研究所の宇宙生物学者であるキンバリー・ウォーレン=ローデス氏が率いる国際研究チームは、AIと機械学習によって、火星の地理的データを分析し、生命の痕跡の存在を示すことができると発表しました。

ローデス氏は「私たちのシステムは、統計生態学と機械学習を組み合わせることで、過酷な環境の中の生命が自らを分布させるパターンやルールを発見・予測することを可能にします」と説明します。

また、他の宇宙生物学チームが研究している「居住可能な環境」「バイオシグネチャー(生命存在指標)のマッピング」を組み合わせれば、過去または現在の生命が存在する可能性が最も高い場所に、ローバーを誘導するマップとアルゴリズムを設計できるとのことです。


ローデス氏らが開発したシステムは、一体何ができるのでしょうか?地球上に火星の乾燥した平原に似ている場所があります。それはチリのアタカマ砂漠です。この砂漠は最長で数十年間、雨が降りません。しかし、このような過酷な場所でも、地中であれば生命が潜んでいることがあります。

また標高3,541mにあり、紫外線が強く、酸素が少なく、非常に乾燥し、塩分濃度の高いパジョナレス塩湖の鉱山の中にも生命は生息しています。つまり、火星のような環境でも地中や鉱山の中には生命がいる可能性があるということです。

そこで研究者たちは2.78平方キロメートルのエリアで7,765枚の画像と1,154個のサンプルを慎重に撮影し、光合成微生物の存在を示すバイオサインを探しました。調査の結果、光合成微生物の近くには岩石をピンクや緑に染めるカロテノイド色素やクロロフィル色素が含まれていることが分かりました。

さらに、火星を周回する衛星が取得した画像をシミュレートするためにドローンを使って空撮し、3D地形図も追加しました。そして、これらの情報をすべて画像や動画を機械学習できるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)に入力し、生命が生息している可能性が高い盆地の構造を認識するようにAIを訓練しました。その結果、このシステムを利用すれば87.5パーセントの確率でバイオシグネチャーを正しく認識できるようになったとのことです。これにより、研究者がカバーする必要のある領域が85~97%削減されます。

AIを使うと下記動画のように、瞬時に地形を分析し生命の痕跡があるかもしれない場所を教えてくれます。


研究チームは今後、数十億年前の微生物の化石であるストロマトライトや、超塩分環境で繁殖する生物である好塩菌など、他のバイオシグネチャーについてもCNNの学習を試みる予定です。

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