
株式会社宿研は9月25日、2025年夏に国内旅行を終えたばかりの1,000人を対象とした「宿泊施設選びの行動実態調査」の結果を発表しました。
生成AIが宿探しの新スタンダードに

調査によると、宿泊先探しで生成AIを活用した旅行者は32.6%に上ることが明らかになりました。内訳は「しっかり活用」が13.2%、「少し活用」が19.4%です。
生成AIの活用率は施設タイプや価格帯によって差が見られ、民泊・ゲストハウス利用者では58.5%、リゾートホテル利用者では45.2%と高い活用率を示しました。一方、ビジネスホテル利用者では28.9%と相対的に低い結果となっています。

価格帯別に変化する宿泊先の決め手
宿泊先を選ぶ際の決め手は、価格帯によって明確に変化することが判明しました。1.5万円、2.5万円、3.0万円のラインで、重視される要素が「機能性(アクセス・割引・プラン)→中身(料理)→滞在の質(客室・静けさ)→語れる・残る体験(思い出・記念性)」と段階的に変化しています。
低価格帯の宿泊施設では移動効率や機能性が重視され、高価格帯では情緒的要素が重要視される傾向が見られました。
除外理由は価格の高さではなく納得感の不足
興味深いことに、候補から外した理由のトップは「価格に見合わない」が20.5%となりました。一方で決め手の上位は、プラン内容15.5%、料理14.8%、客室14.1%が占めています。
これは旅行者が単純に「高いか安いか」ではなく、「価格に納得できる理由があるか」を重視していることを示しています。
2025年夏旅行の傾向

同行者別では家族連れが34.3%、夫婦・カップルが25.2%に次いで、ひとり旅が20.1%と5人に1人の割合で定着していることが分かりました。
宿泊先タイプでは、ビジネスホテルが26.5%でトップとなり、体験志向の旅館(26.4%)、リゾートホテル(24.9%)を僅差で上回りました。物価高騰を背景に、効率性やコスト感覚を重視する流れが強まっていることが伺えます。
施設タイプ別のクチコミ確認行動

民泊・ゲストハウス利用者は、オーナー返信の確認率が78.0%と全施設タイプで最も高く、「しっかりと行った」の割合も48.8%と突出しています。これは個人経営が多い民泊・ゲストハウスにおいて、オーナーの人柄や対応姿勢を重視する利用者心理の表れとされています。
一方、ビジネスホテル利用者は悪いクチコミ確認(61.3%)、オーナー返信確認(51.9%)ともに実施率が低く、実用的な要素を重視する傾向が見られました。
調査概要

この調査は株式会社宿研が企画し、株式会社クロス・マーケティングの協力のもと、2025年8月末にインターネット調査として実施されました。対象は2025年7・8月に国内旅行をした全国1,000人の旅行者で、事前調査8,000人から先着回答順で本調査が行われました。