Uber Japan株式会社は12月1日、スマートフォンアプリ「Uber」を通じてタクシーを呼べる「Uber Taxi」のサービスを、富山県、和歌山県、三重県、鳥取県、山口県、宮崎県の6県で開始すると発表しました。さらに12月15日には岩手県、佐賀県の2県でのサービス開始を予定しており、これにより全47都道府県でのサービス展開を達成することになります。
また同社は、北海道ニセコ町・倶知安町でも12月中にUber Taxiのサービス提供を開始するほか、12月1日より長野県野沢温泉村において「公共ライドシェア」運行の支援を開始するとのことです。
1年間での全国展開を実現
2025年1月1日時点で18都道府県だったUber Taxiの提供エリアは、この1年で全国47都道府県へと拡大されました。短期間での全国展開を実現させた要因として、以下の3点が挙げられています。
電脳交通とのサービス連携
Uber Japanは2025年2月、株式会社電脳交通と戦略的パートナーシップを締結しました。電脳交通のクラウド型タクシー配車システム「DS」との連携により、DSを利用するタクシー事業者・乗務員は、DS端末を通じてUber Taxiの配車依頼を受けることができるようになっています。
全国2万2,000台のタクシーに導入されているDSとの連携により、Uber Taxiに対応する車両数・対象エリアは大幅に拡大されているとのことです。
事業者に支持される導入メリットの拡大
Uber Taxiには、多くのタクシー事業者に選ばれるメリットがあります。Uberが提供する月額サービス「Uber One」では、Uber Eatsの配達手数料が無料になるほか、Uberの乗車料金の10％相当の「Uber Oneクレジット」が貯まり、タクシーやハイヤーの配車サービスもお得に利用できるようになっています。
さらにUberアプリは、世界70カ国以上・約50言語に対応し、インバウンド対応に優れた配車アプリとなっています。日本では163カ国からの訪日外国人が全国各地へ足を運ぶ中でUberアプリを利用しており、タクシー事業者が効率的かつスムーズにインバウンド需要を取り込める点が、大きな導入メリットとなっているとのことです。
Uber Taxiの認知拡大
Uber Japanは2025年9月、著名俳優を起用した新CMを発表し、関東を中心とした主要都市でテレビ・デジタル広告を展開しました。
さらに、10代の子どもが保護者の管理下でタクシーを呼べる「Uber Teens」（2024年12月開始）や、高齢者向けに機能をシンプル化した「Uberシニア」（2025年7月開始）など、ジュニアからシニアまで幅広い世代をカバーするサービスが相次いで導入されています。
新たに展開するエリア
12月1日（月）提供開始
- 富山県：富山市（旧大沢野町・旧大山町区域を含む）
- 和歌山県：和歌山市
- 三重県：四日市市
- 鳥取県：米子市
- 山口県：山口市、下関市
- 宮崎県：宮崎市
12月15日（月）提供開始
- 岩手県：盛岡市（旧玉山村区域を除く）
- 佐賀県：吉野ヶ里町
12月中 提供開始
- 北海道：ニセコ町、倶知安町、喜茂別町、京極町
- 鳥取県：鳥取市、岩美町
ウィンターリゾートでの展開強化
Uber Japanは、全国47都道府県展開に続き、北海道ニセコ町・倶知安町でも12月中にUber Taxiのサービスを開始するとのことです。オセアニアや北米など世界中から観光客が訪れる国際的リゾートにおいて、言語・決済などのハードルを下げ、スムーズなインバウンド移動・対応を支援するとしています。
さらに、同社は12月1日から長野県野沢温泉村を中心とするエリアで「公共ライドシェア」の運行を支援します。公共ライドシェアは、自治体やNPOなどが運行主体となり、交通空白地で住民や観光客の移動手段を確保する制度です。地域住民が自家用車で移動を担うことで、不足するタクシーやバスなどの公共交通を補完し、地域のラストワンマイルの移動を支えるとのことです。Uber Japanが支援する公共ライドシェアの展開は、野沢温泉村で国内5例目となります。
Uber Taxiの利用方法と機能
Uber Taxiの利用方法は、Uberアプリを起動して乗車地と目的地を入力し、見積もり料金と推定到着時間を確認した後、配車リクエストを行うという流れになっています。アプリ上で推定到着時間・車両の現在地などを確認し、タクシーの到着を待機して乗車、目的地で降車する仕組みです。
Uberアプリには、優れたテクノロジーを活用した先進機能が備わっており、乗客とドライバーのスムーズなマッチングを実現しているとのことです。
自動決済機能では、クレジットカード等の支払い方法を事前にアプリに登録することで、目的地到着後はそのまま降車するだけで自動的に決済が完了するようになっています。
チャット機能により、ドライバーとアプリ内でメッセージのやり取りが可能です。待ち合わせ場所や服装などを共有することで、混雑した駅や観光地でもスムーズな合流を実現するとのことです。
多言語対応として、Uberアプリは70カ国以上、約50言語に対応しており、チャットの内容も自動翻訳されるため、外国人旅行者との円滑なコミュニケーションが可能となっています。
評価システムでは、乗客とドライバーが相互に評価を行うことで、サービス全体の品質向上に寄与し、安心・快適な移動体験を提供するようになっています。
ジュニア・シニア対応として、「Uber Teens」および「Uberシニア」のサービスにより、10代の子どもからシニアの方まで幅広い世代の安心・安全な移動を実現しているとのことです。
月額定額サービス「Uber One」
月額498円または年額3,998円で加入可能な定額サービス「Uber One」に登録することで、高評価ドライバーとの優先マッチングが可能となり、さらに乗車料金の10％相当分のクレジットが毎回付与されるとのことです。付与されたクレジットは、次回のUber Taxi乗車やUber Eats注文時の割引に利用できます。
Uber Japan代表からのコメント
Uber Japan代表の山中志郎さんは「Uber Taxiのサービスがついに全47都道府県での展開を達成する運びとなり、大変嬉しく思います。これは、全国のタクシー事業者の皆さま、電脳交通の皆さま、自治体の皆さま、そして日頃よりご利用いただいている多くのお客さまのご協力があってこそ実現できた、大きな節目です」とコメントしています。
さらに「今回、長野県野沢温泉村での公共ライドシェアの運行支援も開始します。地域の皆さまが主体となって移動サービスをつくり上げる本取り組みに参画できることを、心より光栄に思います。Uber Japanはこれからも、テクノロジーと戦略的なパートナーシップを通じて、地域ごとの交通課題に寄り添いながら、より便利で安心な移動体験を提供してまいります」とも述べています。
- Uber Taxi：https://www.uber.com/jp/ja/ride/ubertaxi/
- Uber プレミアム：https://www.uber.com/jp/ja/ride/uberblack/