iPhone 5Sも対応? 新しい無線LANの規格「802.11ac」とは。

AppBank の主任です。

WWDC 2013 の基調講演で発表された製品で注目したいのが、新しくなった MacBook Air と AirMac Extreme です。

Apple 製品としては初めて、最新の Wi-Fi 規格「802.11ac」に対応したからです。この規格は 802.11n と比べ、理論上の最大通信速度が 7Gbps に伸びています。

Apple 製のアクセスポイントである「AirMac Extreme」が 802.11ac に対応したということは、今後発表される iPhone 5S や新しい iPad/iPad mini も 802.11ac に対応する可能性が高いです。

そこで今回は、802.11ac の特徴や注意点をご紹介します。

iPhoneで使える無線LANの種類

現在の iPhone/iPad/iPod touch で使える無線 LAN は 802.11a・802.11b・802.11g・802.11n の4種類です。

なお、機種によっては使える無線 LAN の種類に違いがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

iPhoneで使える無線LAN「802.11a/b/g/n」の違いとは?

802.11acの特徴

4つの特徴によって、これまでよりも高速な通信を実現しています。

第1に、使用する電波の範囲が広くなったこと

これまでは 20MHz や 40MHz でしたが、802.11ac では 80MHz になったので、1度により多くのデータをやり取りできます。

第2に、一度に使う無線アンテナの数を増やしたこと

これまでは4本まででしたが、802.11ac では8本まで使えます。

一度に使えるアンテナが増えれば、一度に送ったり、受け取ったりできるデータの量が増えます。ただし、これには落とし穴も。後ほど詳しくご紹介します。

第3に、新しい変調方法を使っていること

変調とは、データを電波で送りやすいように変換することですが、この方法を見直して1つの信号に従来の約1.3倍のデータを入れられるようにしました。

第4に、使用する電波を 5GHz のみにしたこと。

これまで使われてきた「2.4GHz 帯」という電波に変わり、一般的にあまり使われていない「5GHz 帯」を使うことで、他の電波との干渉を少なくしています。

その代わり、802.11ac を使って無線 LAN に接続できる範囲は、屋内や障害物が多い場所だと若干狭くなる場合があります。

AirMac Extremeの特徴「ビームフォーミング」

AirMac Extreme には「ビームフォーミング」機能があります。一般的に、Wi-Fi のアクセスポイントから離れるほど電波は弱くなりますが、この機能でそれを回避できます。

AirMac Extreme が 802.11ac に対応したデバイスの位置を探し、そのデバイスを狙って信号を送ることができるからです。

(画像引用元:アップル – Mac – AirMac Extreme

この機能が次期 iPhone/iPad で使えるようになれば、自宅などでの Wi-Fi 接続がかなり快適になりそうです。

802.11acの注意点

1. 802.11acには2つの種類がある

802.11ac には「Wave 1」と「Wave 2」という、2つの種類があります。

現在入手できる 802.11ac 対応デバイスのすべてが「Wave 1(第1世代)」になります。理論上の最大通信速度は約 3.4Gbps です。

「Wave 2(第2世代)」は2014年から対応製品が登場し始める予定で、理論上の最大通信速度は約 7Gbps になります。

2. 通信速度が使えるアンテナの数で大きく変化

802.11ac の最大通信速度は約 7Gbps ですが、これは最高の条件がそろった場合のみ。

アクセスポイントや接続するデバイスに搭載されていて、かつ利用できるアンテナの数によっては、最大でも 300Mbps 以下になる場合があります。

なぜかというと、802.11ac はデータの送受信に利用するアンテナの数を増やすことでもその通信速度を上げているからです。

ですから、最大8本利用できても、実際に装備されていて利用できるアンテナの数が2本しかなければ最大約 850Mbps しか出ません。

利用できるアンテナの数で通信速度が変わるのは 802.11n も同様です。

iPhone/iPadに搭載される可能性は?

すでに第1世代の 802.11ac に対応している「Galaxy S4」や「AQUOS PHONE ZETA」「ARROWS NX」が発売中です。

冒頭でもお伝えした通り、Apple の無線 LAN 製品である「AirMac Extreme」と「Time Capsule」も第1世代の 802.11ac に対応しました。

また、iPhone 5 で Wi-Fi の制御チップを供給する Broadcom が、後継機と思われる制御チップをすでに発表しています。

以上のことから、今秋発表が予想される iPhone 5S は第1世代の 802.11ac に対応すると考えられます。

現行の iPad/iPad mini も同社のチップを使っているため、第5世代 iPad や第2世代 iPad mini で 802.11ac に対応する可能性は高いと思われます。

iPhone 5Sで最大3.4Gbpsは無理?

先ほどご紹介した通り、802.11ac の最大通信速度は利用できるアンテナの数によっても変わります。

例えば、第1世代の 802.11ac の最高通信速度 3.4Gbps を出すには、最低でも8本のアンテナとそれを処理できるチップが必要です。

しかし、iPhone に多数のアンテナを搭載することは消費電力や必要なスペースの増加に繋がります。

WWDC 2013 で発表された AirMac Extreme でさえ、搭載されているアンテナはおそらく3本で、最大通信速度は 1.3Gbps です。

iPhone 5S が 802.11ac に対応したとしても、消費電力の増加を避けるため、アンテナ数は1本か2本になると考えられます。

そのため、通信速度は最大 433〜867Mbps になるのではないかと思われます。

また、先日発表された Broadcom の新チップはスマートフォン向けで通信速度が最大 433Mbps、タブレット向けで最大 866Mbps になっています。

参考(順不同)

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