iPhone X/8が対応する「高速ワイヤレス充電」とは?

2017.11.21

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『iPhone X』と『iPhone 8』はワイヤレス充電に対応していますが、『iOS 11.2』にアップデートすることで「高速ワイヤレス充電」も利用できるようになる、と噂されています。

「ワイヤレス充電」と「高速ワイヤレス充電」の違い

iPhone X/8はワイヤレス充電の規格である『Qi』に対応していますが、現在のAppleの定義では、ワイヤレス充電は2つに分類されています。

1つ目は「ワイヤレス充電」で、最大出力5Wで充電できる方法です。2つ目は「高速ワイヤレス充電」で、充電する際の最大出力が1.5倍の7.5Wに増えています。

ワイヤレス充電器からの出力が増えれば、それに対応する機器の充電時間は短縮されます。このことからAppleは、「ワイヤレス充電」よりも充電時間を短縮できる方法として「高速ワイヤレス充電」を位置付けているようです。

現時点で利用できるのは「ワイヤレス充電」だけですが、iOS 11.2で高速ワイヤレス充電にiPhone X/8が対応すると噂されています。

現に、開発者やテスト参加者に公開されているベータ版にアップデートしたことで高速ワイヤレス充電が使えた、とする報告もあります。ただし、Appleはベータ版での対応を発表しておらず、高速ワイヤレス充電で充電していることを確認できる機能も提供されていないようです。

現時点では様々な検証結果が報じられています。

ウェブサイト『BirchTree』が『iPhone 8 Plus』で検証したところ、その違いは微々たるものであるようです。

バッテリー残量0％から120分間充電したところ、ワイヤレス充電は40％まで充電できたが、高速ワイヤレス充電では47％充電できた、としています。iPhone 8 Plus付属の充電器では同じ時間で80％充電できたそうです。

ただ、この検証には疑問も残ります。使ったワイヤレス充電器はサムスン製の『Fast Charge Wireless Charging Pad』（EP-PN920）だとしていますが、この充電器に対応した製品は高速充電できるものの、他社製品はできない可能性があります。

もしそのような仕様であれば、7％の差は充電する環境の違いによるもの、という可能性も考えられます。

一方、ウェブサイト『充电头网』は、高速ワイヤレス充電を使えば2時間でiPhoneをフル充電できたと報じていますが、使用した充電器やiPhone、iPhoneの設定などは分かっていません。

Appleが取り扱う商品を決めるApple Storeでは、Belkinとmophie製のワイヤレス充電器が販売されています。

これらの製品は高速ワイヤレス充電への対応がApple Storeに明記されています。Appleが2018年発売予定の『AirPowerマット』も対応が見込まれます。

一方で、他社製のQi対応充電器で高速ワイヤレス充電が行えるのかは不明です。

Qiには最大15W出力に対応した「Medium Power」という後発の規格もあり、対応した製品がすでに販売されています。出力だけを見れば高速ワイヤレス充電に対応できるはずですが、Appleの高速ワイヤレス充電とQi Medium Powerに互換性があるのかは分かっていません。

Appleは、高速ワイヤレス充電が行える充電器を識別する仕組みを盛り込んでいて、現時点では対応製品をBelkinやmophieの対応充電器に限っているようだ、との報道もありました。

さらに、高速ワイヤレス充電が行える他社製充電器はBelkinやmophieだけが取り扱う、という噂もあります。

ワイヤレス充電器を買うのは、iOS 11.2でiPhone X/8が高速ワイヤレス充電に対応することが正式発表されてからでも遅くはないでしょう。

これまでに分かっている情報をまとめると、他社製のQi対応充電器では出力を示すワット数が7.5W以上であっても、iPhone X/8では高速ワイヤレス充電が行えない可能性があります。

対応したiOS 11.2が正式に公開されれば、Appleやメーカーはどの充電器が高速ワイヤレス充電に対応しているのかを公表するようになると予想されます。

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