Appleは『iPhone』のプライバシーをなぜ重要視するのか?スティーブ・ジョブズが10年以上前から危惧していた問題

[PR] 本ページで紹介しているECサイトやメーカーなどから購入実績などに基づいて手数料を受領する場合があります。

Appleは最近、プライバシーについてよく取り上げています。YouTubeでプライバシーに関するビデオを公開したり、Apple Eventでプライバシーを強調したり。さらには『iPhone』のプライバシー保護を宣伝するビルボード広告を掲載したりしています。


ではなぜここまでAppleはプライバシーの保護を重要視し、ユーザーに対して訴えかけるようになったのでしょうか?これについて、Appleを解説するYouTubeチャンネル、Apple Explainedが解説しています。

Source:Apple Explained
*カテゴリー:テクノロジー technology

Appleはスティーブ・ジョブズのいた10年以上前からプライバシーを重要視していた



Appleのプライバシーに対する基本的な考え方は、「ユーザーのために正しいことをする」というところから来ています。これは必ずしもApple自身の善意からではなく、そうすることでユーザーの人生の価値を高め『iPhone』や『MacBook』などハードウェア販売の収益性を上げるためでもあります。


そしてプライバシーの分野は、Appleが最も得意としているところでもあります。だから、ユーザーのデータを多く収集する競合他社との差別化を図るために、彼らはプライバシーについてよく語るのです。


しかし、Appleがプライバシーに対して真剣に取り組むことは、最近始まったことではありません。2010年のスティーブ・ジョブズへのインタビューを見ると、10年以上前からプライバシー機能がアップルにとっていかに重要であったかが伝わってきます。


(ジョブズ)シリコンバレーの企業は一枚岩ではない。(中略)他のシリコンバレーの企業と違って、私達はプライバシー保護に非常に真剣に取り組んでいる

この後にジョブズが危惧した「アプリがユーザーを追跡する可能性がある」という問題は、まさに予言的なものでした。というのも、デジタル広告の世界では何年も前からユーザーの追跡による広告が行われていたからです。


ユーザーデータの重要性は、ここだけにはとどまりません。自分の生活に置き換えて考えてみましょう。毎日手帳に健康を記録する人はほとんどいませんが、そのデータは健康管理アプリに入っています。銀行口座の暗証番号だって、スマホのメモ帳に記録しているかもしれません。マップアプリを使えば、移動経路は全て記録することができます。


このような極めてセンシティブな情報は、これまで一か所に集められることはありませんでした。しかし携帯電話、そしてスマートフォンの登場により、それは変わりました。

そしてこれらの情報は、悪徳ハッカーなどにとっては宝の山です。個人情報を盗んだり、アカウントのパスワードを第三者に売ったり、さらには個人的な写真や会話を脅迫材料にしたり……


この問題に対して、全てのデジタルデータが安全とはいえませんが、少なくともAppleは他社よりもユーザーデータの保護に積極的に取り組んでいることがわかります。

例えば、FBIはAppleに対し、デバイスのパスコードを入力せずに、ローカルに保存されているすべてのデータにアクセスできるようなiOSのバージョンを作成するよう求めたことがありました。

Appleはデータ処理において、送信者と受信者以外の誰もがコンテンツにアクセスできない、エンド・ツー・エンド暗号化と呼ばれるものを利用しています。このため、標準的な暗号化とは異なり、例えFBIであっても簡単にアクセスすることはできませんでした。


しかし、アップル社はFBIが求めるiOSの構築を拒否しました。1台のデバイスのロックを解除することは不可能であり、世界中のすべてのiOSデバイスのロックを解除できるマスターキーを作成することは、すべてのAppleユーザーを危険にさらすプライバシーとセキュリティの脆弱性を生み出すことになると主張しています。


データは最近、石油を抜いて世界で最も価値のある資源となったといわれています。そのため、GAFAのような大手テック企業がユーザーデータのプライバシーを擁護することは、ビジネス的に考えれば好ましくありません。

だからこそ、Appleは逆にプライバシー保護への取り組みを強調しているのです。ユーザーのプライバシー保護への取り組みをアピールすることは、顧客にとって魅力的であるだけでなく、Appleの競合他社への圧力にもなりえます。

例えば、データによって収益のほとんどを得ているGoogleは、『iPhone』のもっとも大きなライバルであるAndroidの生みの親でもあります。


Appleはハードウェアを販売することで多くの収益を得ているため、プライバシーの重要視を前面に打ち出すことで、多くの顧客を惹きつけようと考えています。だからこそ、Appleはプライバシー保護を非常に重視しているのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

新着記事

マックスむらいの最新ドッキリ動画

目次