AppleやNetflix級の「超大企業」が倒産するシナリオとは?

[PR] 本ページで紹介しているECサイトやメーカーなどから購入実績などに基づいて手数料を受領する場合があります。

大企業が30年で倒産してしまう理由とは?

次に大企業が直面する問題は、イノベーションより利益を優先してしまうという事です。


これは、必ずしも企業側に責任があるわけではありません。問題は、その企業が業界内で行き詰まりを感じてしまうという事です。

例えば、iPhoneやMacはどこまで進化し続ける事が出来るのでしょうか。今後のデバイスの進化は処理能力を毎年向上させるだけです。そして、新機種が出る度にその進化の差は小さくなり、ユーザーは新しい機種に買い直さなくなります。その為、企業は成長を続けるために別の収益方法を探さざるを得なくなります。

Appleは「iCloud」や「Apple Music」などのサービスに力を注ぎ収益を改善させました。しかし、どれも新しい発明ではありませんし、革新的なものでもありません。


同じことは「Amazon」にでも言えます。Amazonは配送時間を物流革新によって「1週間から2日」「翌日」「当日」「1時間」と短縮してきました。しかし、Amazonはこの進化をどこまで進める事が出来るのでしょう。また、消費者もどこまで求めるのでしょう。


Appleはスマートフォンの問題を解決し、Amazonは物流の問題を解決しましたが、そこにも問題があります。

それはイノベーションよりも利益を優先してしまうという事です。例えば、iPhoneのエンジニアは「ノッチを小さくすること」「カメラのバンプを取り除くこと」に本当に興味があるのでしょうか。

本当は「人工知能の開発」「機械学習の活用」「自動運転車のプログラミング」「メタバースの構築」「ロケットの打ち上げ」などを開発したいのかもしれません。大企業がイノベーションよりも利益を優先し始めると、優秀な人材は徐々に自身が興味がある新進企業に流出することがあるのです。

そしてイノベーションが失われた産業で次に起きるのは低価格競争です。

例えば、自動車業界では、ほとんどの技術革新が終わった後にトヨタとホンダが参入し、車は以前よりも手頃な価格になりました。また、1978年の航空規制緩和法が成立したとたん、航空券の価格は安くなりました。この流れはごく自然な事です。


イノベーションが鈍化すると、その製品やサービスの魅力が失われ、企業のファンも離れていきます。これは、人々がその製品やサービスを使わなくなったということではなく、ブランドにこだわりを持たなくなったということなのです。

例えば、1800年代後半であれば、裕福な紳士は、全米で一番人気のあるところから電気を買うことを誇りにしていたかもしれません。しかし、現在では、電気の使用量は増えても、電気事業者がどこであろうと、誰も気にしないのです。

利用者にとって、電気は日常生活の一部であり、重要なのはどこのメーカーのものであるかではなく、どこが一番安い会社なのかという事です。


また、特定の品質の鉄鋼が必要な場合、あるいは最高品質のガスが必要な場合は、こだわりの会社から鉄鋼やガスを購入する可能性がありますが、多くの利用者はガスの産地や鉄鋼の産地を気にしたことは無いはずです。気にするとするならば、それは会社ではなく製品そのものに興味があるだけです。

つまり、利用者はブランドに興味があるのではなく、製品に興味があるのです。もし、明日、新しいガス会社ができて、同じ値段でより良い品質のガスを提供してくれたら、すぐにでも乗り換えるはずです。


しかし、iPhoneとAndroid、Mac OSとWindowsでは、同じことは言えません。なぜなら、これらの発明はまだ新しいものであり、人々の好みは大きく分かれているからです。だが、時間が経てば、これらの製品は基本的に同じものになり、ガスや電気のように人々は気にならなくなるのです。


また、AppleやMicrosoftは過去にこのような経験をしたことがあるという点にも注目するべきです。例えば、Appleは1990年代後半、当初のパソコンブームが終焉を迎え、安価な製品が市場に溢れてしまった為、倒産しそうになっています。そのため、モバイル市場に軸足を移し、成長し回復させる必要があったのです。

同様に、Microsoftも2000年以降、PC市場を制覇していたため、10年間停滞しています。そしてMicrosoftが再び成長を始めたのは、クラウドとサーバーを導入してからのことです。

もし、AppleやMicrosoftがこのようなシフト変更を行わなければ、すでに倒産していたか、IBMのように大損失を出していた可能性があります。


Amazonの会長であるジェフ・ベゾスも「アマゾンは倒産するだろう」と2018年に発言しています。


彼は、「大企業の寿命は百数年ではなく、30数年であることが多い」と話します。Amazon、Google、Tesla、Nvidia、Facebookはすべて30年未満です。また、未だ倒産していないAppleやMicrosoftは、30年の節目の頃に新しいビジネスを見つけました。

一方、AmazonとGoogleは30年の節目を迎えようとしていますが、主要産業において市場は飽和状態に達しており、以前にも増して反発にさらされています。

最近苦戦が報じられている企業といえば、世界最大規模のストリーミングサービスを展開する「Netflix」です。同社が苦戦している理由について

記事を最初から読む

1 2
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

新着記事

マックスむらいの最新ドッキリ動画

目次