イーロン・マスクが「対中国・対ロシア」で発揮した先見の明

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コロナ禍であってもテスラの販売台数を上げる事ができたイーロン・マスクの未来を読む力とは?


テスラは、パンデミックによる上海工場の閉鎖やニッケル価格の上昇、サプライチェーンの危機が続く中、他の自動車産業が理解できないようなことを再び行い、2022年の第1四半期に世界中で310,048台の車を納品することに成功しました。これは昨年を上回る車の販売台数です。

これは、前四半期に販売された309,000台に対して僅かな増加でしたが、2021年の同じ期間に比べて68%の大幅な増加でした。コロナによる工場の閉鎖がなければ、おそらくさらに1万台の車を生産することができたでしょう。


サプライチェーンの問題はテスラを含むすべての自動車メーカーに影響を与え、アメリカでの生産量の拡大、あるいは維持する事は非常に難しいはずです。しかし、テスラの納車実績は、過去2年間の大幅な生産減を経験した自動車業界の流れに逆行しました。

実際に、アメリカでの新車販売台数は、第1四半期に前年同期比で約12%減少しています。また、ゼネラルモーターズの売上高は、四半期の20%減になり、トヨタも15%減、クライスラーグループを所有するステランティスは14%減になっています。


これは、顧客が車を欲しがっていないわけではないのです。単純に需要を満たす為の十分な台数が作られていないだけなのです。

テスラが危惧していたことは、中国の存在です。中国は長い間、新型コロナウイルスのパンデミックをコントロールしてきましたが、オミクロン株によって感染が爆発しました。もし、大規模なロックダウンが実行されたら、テスラの生産量は大幅に激減するかもしれません。


最低でも、テスラが持っているドイツのギガ・ベルリン工場で電池を4680セル製造できるようになるまでは、供給を受け続ける必要があったのです。

そして、ギガ・ベルリン工場は2022年に稼働し、テスラは年間200万台を超える生産能力を手に入れました。


なぜ、この工場の生産能力がこれほど高いかというと、この工場も最新の技術が使われているからです。

テスラは工場をアピールする為に、車が製造される過程を最初から最後まで写した動画を公開しました。この映像はドローンで上空から撮影されたり、レトロゲームのように、動く部品の間を飛んだりします。そして工場の中は、ロボットアームとコンベアベルトで自動化され、部品がラインを通って前進しています。


そして、巨大なロボットアームが中に入り、金型からプレスされたばかりのリアキャストを取り出して次の工程に進むという、世界でも初めての試みです。映像にはY型フレームに穴を開け、ロボットアームの無駄の無い作業によって、うまく接合されていく様子が写っています。

それはまるでロボットの触手モンスターのようで、気味が悪いのですが、とても革新的です。


そして、人間による品質チェックを行い、巨大なロボットアームが車体をベルトコンベアーに吊り上げ、塗装工場に運びます。

組み立ての最終確認では、多くの人間によって手作業でチェックが行われています。そこでは、塗装の最終仕上げや、ブレーキの確認などが行われます。そして最後に、最終検査が行われ、ヨーロッパの人々に出荷されていくのです。


また、テスラは2021年以降に複数のニッケルサプライヤーと契約を結んだと「Bloomberg News」が報じています。これは、ウクライナ紛争によって、材料価格が高騰するずっと前に結ばれた契約だった為、テスラにとっては非常に有効な契約になりました。


さらに、テスラはブラジルのvaleという会社とも契約を結んでいます。「Bloomberg News」によると、この契約は世界的な最高級ニッケルの供給国の1つであるロシアからでは無く、多くがカナダからのニッケルが対象になっているようです。

今後ニッケルの供給は、品薄になっていきます。テスラはエントリーカーでは非ニッケル電池を使用し、スタンダードレンジモデルでは鉄ベースのLFPセルに切り替えることによってニッケル不足を回避しようとしています。


しかし、その努力をしても、4680セルの大量生産に対応するためには、大量のニッケルが必要です。

これは、テスラが長距離で高性能な電気自動車を生産し続けるために解決しないといけない問題なのです。イーロンが過去にニッケル採掘業者に、この部品をもっと採掘するよう促したのは有名な話です。

その為テスラは、ニッケルを効率よく、そして環境に配慮した方法で採掘出来る鉱山と契約し今後のニッケル不足に備えています。


イーロン・マスクはテスラを大きく成長させています。また、先見の明で、多くの危機を回避しています。そんなイーロンがTwitterを買収したということは、我々には見えていない何かがイーロンの目には見えているのかもしれません。



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