5兆円企業を「サイドプロジェクト」からつくったTwitter創業者の辣腕

squareが株価を大きく回復させた秘策とは?


1つは、その卓越したエコシステムです。Squareは「ハードウェア」「ハードウェア上で動くソフトウェア」「iOSやAndroidのアプリ」そして「バックエンドのシステム」など競合他社が真似できないものを提供してきました。

つまり、最初から最後までのエコシステムを構築することによって、それらがどのように連携しているのかを観察することができるのです。これは、他の競合にはない特徴でした。

もう1つが、多くの人が存在すら知らないビジネス「Square Capital」の成長です。Squareは銀行ではないものの、金融機関と提携し、多くの中小企業に融資を提供していました。


少額の融資を受けることは、多くの経営者にとっての最大の悩みです。多くの銀行はSquare Capitalが提供している5万ドル(約630万円)、6500ドル(約83万円)、500ドル(約7万円)のような規模の融資を提供していないのです。

そのため、Square Capitalができる前までは、中小企業のオーナーが融資が必要になった場合は、親や兄弟や友人に頼みに行くような状態でした。もともと中小企業をターゲットにしていたSquareにとって、これは大きなビジネスチャンスだったのです。


このような融資が可能となった秘密は、Squareの決済システムに隠されています。この決済システムでは、多くの金融機関が知ることが出来ない、ビジネスで発生した1日の取引の数や、クレジットの種類などの内部を詳しく見ることを可能にします。

つまり、どんなに小さなビジネスであっても、その収益を把握することができました。このような精度の高いデータは、投資のリスクを回避する為には、非常に重要なのです。このデータを使えば、信用度を調べるクレジットスコアも使う必要がありませんでした。


Squareは、この独自のAIベースのモデルを毎日実行し、Squareのダッシュボードを介して何千もの企業に直接融資のオファーを出しています。

また、返済を受けるための新しいモデルも開発しました。それは、売り手は一度融資を受けると、1日の平均的なカード利用数に基づいて返済していくというシステムです。

つまり、ビジネスが予想以上に成長すれば、より早く借金を返済することができるということです。また、借りた側にとっても、少し停滞したり、1日休んだとしても、返済しなければならないというプレッシャーはありません。


さらにSquareはリスクを回避する為、賃借対照表だけに情報を留めず、ローンを一括で他の会社に売却します。そしてローンが完済されるまでは、買い手からサービス料を徴収し続けているのです。

squareは、18億ドルを14万以上の企業に貸し出した後に、2017年に銀行の設立を申請し、この分野に全面的に参入する意向を表明しました。


これは、PayPal、Amazon、Stripeなど、中小企業向け融資を提供するさらに多くのハイテク企業に対して、Squareが優位に立つことを意味しています。


Squareはまた、「Cash App」というアプリで他のフィンテックの競合他社に対する競争力を高めています。


2013年に登場したこの現金送金アプリで、Squareにとって全く新しい市場を切り開きました。2年前は重要な事業ではなかったのですが、今では収益の4分の1を占め、他の事業をはるかに凌駕しているのです。

Cash Appは、デビットカードの代わりにクレジットカードとリンクし迅速に現金を引き出すことができます。そしてその時に発生する少額の手数料でSquareは収益を上げています。

現金送金アプリの人気は、この実用性の高さがあるからでしょう。消費者が銀行に行く手間を省くことができるため、現金送金アプリを利用した銀行サービスは非常に多くなるはずです。そして、この市場はこれから何十年も進化していくことでしょう。


Squareはすでに提携銀行を通じてアプリ上で様々な銀行サービスを提供しています。また、ジャック・ドーシーが情熱を注いでいる暗号通貨の取引機能を提供することで、若年層の支持を集めようとしています。


2018年、Cash Appのユーザー数は700万人から15,000万人に増加しました。これらの成功により、2018年後半になるとSquareは調子がよくなり、特に中核となる決済事業は成長を続けました。

Cash Appの予想外の反響は、投資家や中小企業向けの新銀行市場を驚かせました。Squareはこの成功によりウォール街でも有名になりました。


Squareの株は、信じられない程の速度で上昇し、安値だった9ドル弱から99ドルへと株高を押し上げたのです。


しかしその後、Squareの将来が少しばかり不透明になりはじめます。Squareの株が急落したのです。株は叩き売られ、8月以降30%近く株価が下落。

この一因としては「米国が不況に陥った際に、Squareが融資からのリターンを受け取れなくなる」という投資家の不安が挙げられます。

しかし、Squareはこの主張に対して強く反発しています。彼らは、決済処理は人々のビジネスを動かすものだと考えています。

第2に、Squareの融資期間は9ヶ月間です。つまり、融資の期間は非常に短く、決済モデルが文字通り毎日変化するのに合わせて調整することができるのです。

もちろん、決済事業の大手も株価を大きく落としたことがあります。現在のSquareは、優位性を失ってしまったのか、それとも次の大勝負に向けて準備を進めているのかを投資家に示す、重要なポイントに差し掛かっているのです。



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