コロナによる「生活の変化」や、スマホの「最新技術」
コロナの影響によっても時代は大きく変化しています。
◇ 【3】スキルアップをするために「動画視聴」をする人が増加
ゲイツは、パンデミック中に起こった最もポジティブなことの1つは、YouTubeなどのプラットフォームで教育ビデオを見る時間がずっと長くなったことだと述べています。
この現象は、質の高いコンテンツを見るのであれば、決して悪いことではありません。
ゲイツは、YouTubeなどのサービスで教育ビデオをたくさん見るという文化が、コロナ時代によって習慣づけられたと考えています。
ゲイツは、他の人も同じように学ぶために動画を見ているのかを調査しました。調査会社の結果は、インタビューした2,000人のアメリカ人の多くも、学ぶために動画視聴をしているという結果でした。
また、人々は、パンデミック以来、スキルアップを求めています。そして新しいスキルを身につけるために、33%の人が動画を活用していると、調査会社は報告しています。
これはゲイツが言うように、パンデミック中に起こったポジティブな出来事ですが、人々が簡単にやめられない習慣である可能性も非常に高いです。
◇ 【4】教育環境は「オンライン学習」が新常識
ゲイツは、オンラインで学ぶことが「パンデミック後の新常識」になると考えています。
オンライン教育によって、自宅で新しいスキルを学べるようになりました。
また、多くの人がパンデミック中、自宅で学ぶ機会が増えました。それに伴い、教育はすでに部分的に変容しています。
つまり、教師がバーチャルな授業を行うための技術が向上したということです。
もしかすると、教育者はバーチャル教育によって新たなストレスを抱えたり、汚くてうるさい教室を恋しがっているかもしれません。しかし、バーチャル教育のツールが今、大幅に改善されていることを忘れてはいけません。
ゲイツは、こうしたオンライン学習の向上は、授業に役立つと考えています。例えば、教師が、生徒の様子をより深く理解できるようになります。
なぜならテクノロジーは、管理ツールとして使われるだけではなく、いずれ問題点を指摘できるようになると彼は考えているからです。
そうした人工知能は、生徒がどこで間違っているのか、どうすれば直せるのかを教えてくれるようにもなると彼は考えています。
しかし、すべての子供たちがそのような技術にアクセスできるようになるかという問題もあります。
ただ、ゲイツは、パンデミックが始まって以来、より多くの子供たちがコンピューターやソフトウェアにアクセスできるようになり、これは今後ますます伸びていくと述べています。
◇ 【5】スマートフォンが「脳」を調べてくれる新技術の到来
あなたのスマートフォンが、近い将来、あなたの脳の機能を教えてくれるようになるかもしれないという話もあります。
スマートフォンを使うだけで、脳がどのように機能しているかについて、調べることができるかもしれません。
彼は、脳の側面がどのように機能しているかを見ることができる技術にも大きな期待を寄せています。
ゲイツは、「診断アクセラレータ」と呼ばれるものに資金を投入しており、現在25の候補がいます。
そのうちのひとつが「Cogstate」という会社です。
この会社のホームページには「脳の健康は生活の質にとって深く重要であり、もっと簡単に測定できるようになるべき」と記載されています。
ゲイツは、このような技術について非常に前向きです。また彼は、この会社がモバイルゲームのように脳を見ることができる技術を持った企業だと説明しています。そして、この技術は実際にあなたの認知機能について影響を与えるといわれています。
また「Altoida」という会社については、アプリケーションと通常の電話技術を使って、脳の健康状態や神経疾患を調べることができると述べています。
近い将来、スマートフォンが、あなたの脳に深刻な問題があるかどうかを、教えてくれるようになるでしょう。
テクノロジーが間違った方向に進むのでは無いかという不安はありますが、この技術は、誰にとっても良いニュースになるはずです。
この点について、ゲイツはお気に入りの作家の一人である「サピエンス」の著者であるユヴァル・ノア・ハラリの言葉を引用して以下のように述べています。
人は通常、未知のものを恐れるから変化に対して恐怖を感じてしまいます。しかし、歴史における唯一最大の不変のものは、すべてが変化するということです。