Amazon「スマートホーム帝国」にはGoogleもAppleも敵わない

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Amazonの新たな武器

ボイス/AIアシスタントとスマートホームの先駆者としての地位を獲得したAmazonはいま「Alexa」の強みをさらに拡大しようとしています。Amazonはスマート掃除機「ルンバ」で有名なiRobotを17億ドル(約2,400億円)で買収したのです。

ここで注目すべきは、AmazonによるiRobotの買収は「ロボット掃除機を手に入れること」が目的ではないことです。

ハードウェアやデバイスの販売で高い利益率を維持することは困難であり、中国メーカーの参入が相次ぐロボット掃除機も例外ではありません。Amazonが狙っているのは「ロボット掃除機が取得し、iRobotが蓄積してきた家やオフィスの間取り(マッピング・データ)」なのです。

ルンバ」はカメラやセンサーがついており、掃除をしながら家やオフィスの中に何があるのか、誰がいるのか、どのような活動をしているのかを把握して、WiFi経由でそのデータをAmazonに送信できます。こうした情報が分かれば広告やAmazon.comにおける製品レコメンデーションなどの精度があげられます。この「マッピング・データ」の支配はスマートホーム市場における優位性を獲得するための強力な武器となります。

家の中をマッピングできるスマートホームデバイスは、ルンバだけではありません。

Philips の「Hue」のようなスマートライトには、部屋にいる人の存在を検知して、自動的に電源を入れたり切ったりできる機能が搭載されています。つまり、部屋への人の出入りがわかるため、間取りのデータを組み合わせれば「どの時間帯に、どの部屋に人がいるか」を正確に把握できます。また、Amazonは「アストロ」という独自のロボット型家庭用モニターを開発しており、子供の見守りモニターも発売しています。

このような端末を組み合わせることで、Amazonは非常に複雑で詳細なデータを蓄積し、そのビッグデータをもとにビジネスを成長させることができます。競合となるGoogleやAppleが「スマホとラップトップ、イヤホンなど」からユーザーデータを取得していることを考えると、AmazonのAI/ボイスアシスタントとつながるスマートホーム製品群が得られるデータがいかに豊富かがよくわかります。

Amazonの機器が拡大するにつれ、収集できるデータの量も増え、機器の機能を向上させることができるのです。例えば、スマートデバイスと接続されたエアコンは「誰も家にいない」ということが理解でき、状況に応じて自動で空調をオフにしたり温度を調整したりできます。結果としてユーザーは電気代を安く抑えられるので、メリットを感じられるでしょう。

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