610億円を払って「Firefox」を延命するGoogleのズル賢さ

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人々がなぜFirefoxを使い続けるのかを理解するためには、そもそも人々がなぜFirefoxを使い始めたのかを知る必要があります。振り返ってみると、Firefoxのルーツは1990年代初頭のNetscapeという会社まで遡ります。Netscapeをご存じない方も多いかもしれませんが、当時はインターネットブラウザとして圧倒的な強さを誇っていました。

しかし、マイクロソフトがInternet Explorerを発売すると、すべてが変わることになります。Internet ExplorerはWindowsにプリインストールされているため、人々は新しいコンピュータを購入すると、同ブラウザを使うようになります。


マイクロソフトは、ブランド認知度、信頼度、開発力、マーケティング力などのあらゆる面で優位に立っていました。そこで、最後の手段として、Netscapeは1998年に自社のブラウザをオープンソース化することを試みます。何万人ものオープンソース開発者の力を借りて、マイクロソフトに対抗しようとしたのです。

しかし、実際には多くの壁にぶつかることになります。1つは、オープンソースのプロジェクトとしてはかなり複雑なブラウザであったため、協力できる開発者の数が大幅に制限されたことです。また、多くのコードがサードパーティからライセンスされていたため、Netscapeはブラウザの多くをオープンソース化することさえできませんでした。

数年間は手探り状態が続きますが、最終的に2002年6月に、すべてを廃棄してゼロから始めるという苦渋の決断をすることになります。そして、2004年2月にリリースされたのがFirefoxです。Firefoxは、発売されるまでにかなりの困難に直面しましたが、発売後の数年間は順調でした。 そして、2008年までにFirefoxは市場の30%を占めるようになります。しかし、まもなくしてChromeが登場し、その勢いが落ちていきます。


Chromeは、画期的な何かをもって登場したわけではありません。基本的にはFirefoxをGoogleが少しアップグレードしただけのものです。例えば、個々のタブを互いに独立させるサンドボックスのアイデアを導入したりしています。これにより、1つのタブがクラッシュしても、ブラウザ全体がクラッシュすることがなくなりました。

このような工夫により、ChromeはFirefoxよりも高速で安定した動作ができるようになりました。また、Chrome自体の多くの部分はオープンソース化されているため、Firefoxの利点もありませんでした。しかし、Chromeの本当のウリはGoogleのエコシステムです。

Chromeは、Gmailアカウント、Googleマップ、Googleドライブ、Googleのオフィスと統合されています。人々がGoogleの様々なサービスに依存するようになると、多くのユーザーがChromeに乗り換え出しました。Firefoxも決して引けを取っていませんが、一般人にとっては、ChromeではなくFirefoxを選ぶ理由は無くなってしまったのです。その結果、Firefoxは市場シェアを年々失い始め、現在に至っているのです。


Chromeがそんなに良いなら、なぜ人々はまだFirefoxを使っているのでしょうか?


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