27億円のステルス爆撃機「B-2」精鋭パイロットの過酷な日常

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アメリカ空軍には「B-2」と呼ばれるステルス爆撃機があります。この爆撃機は、アメリカ空軍の最高傑作ともいわれています。

そんな「B-2」に乗り込むパイロットの1日は過酷です。ステルス爆撃機「B-2」精鋭パイロットの1日について、海外YouTubeチャンネル「The Infographics Show」が解説しています。



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*Category:テクノロジー Technology *Source:The Infographics Show,AIR FORCE

目次

「B-2」パイロットの過酷過ぎる1日とは?


「B-2」は、翼幅52メートル、時速900キロメートル、航続距離11,265キロメートルという驚異的な性能を誇ります。機体は、特徴的な翼を持ち、黒く塗られています。現在「B-2」は、20機あり1台の製造にかかる費用は20億ドル(約2,700億円)と高額です。

この爆撃機には、正確な標的を攻撃するスマート爆弾から、敵の軍事施設全体を破壊する核爆弾まで、何でも装備することができます。


この高性能な「B-2」のパイロットになることは非常に困難です。まず「B-2」のパイロットになるには、身長が180センチ以下でなければなりません。なぜなら、それ以上の身長だとコックピットに収まらないからです。

そして、何カ月もかけて「B-2」の大量のマニュアルを読み、コックピット内の機構やスイッチをすべて把握しているかどうかを確認するためのテストに次々と合格していく必要があります。また、「B-2」を模したシミュレーターに乗せられ、訓練官から現場で遭遇するシナリオを叩き込まれます。さらに「B-2」で長距離飛行をするときと同じように、シミュレーターの中で何時間も過ごす必要もあります。

すべてのテストとシミュレーションを見事にクリアすると、いよいよ実際の操縦桿を握ることができます。それから数ヶ月間、パイロットは常に抜き打ちの訓練に備えなければなりません。そして、「B-2」の中に24時間以上閉じ込められても、スムーズにミッションを実行でき、さまざまなタスクのバランスをとれるようになると、ついに「B-2」のパイロットとして採用されます。


「B-2」のパイロットとして採用されてからは、過酷なミッションに備える日々が始まります。もし、地球の反対側にいる権力欲の強い独裁者が、近隣の国への侵攻を決定した場合、アメリカ政府は行動しなければなりません。

「B-2」のパイロットは、早朝に電話を受けることになるでしょう。そして、空軍基地に向かい、緊急任務パックを受け取り「B-2」に乗り込む準備をします。「B-2」のパイロットに、無駄な時間は無いのです。

衛星で敵地を見ると、核兵器を使用する準備をしているとのことです。そこで、任務の内容は探知されないように爆撃機を敵地まで飛ばし、核兵器が発射される前に破壊することです。


パイロットは、飛行機に乗り込む前に医師から薬を受け取ります。この薬は、ミッションの重要な場面で、注意力を保てるようにするためのものです。


また、パイロットは「B-2」に任命されて以来、食事と睡眠のスケジュールを変更しています。パイロットは、3回の食事を規則正しく取ることはありません。彼らは1日を通して食事の時間をずらし、1日のどの時間帯でも適切な糖分濃度を保てるように常に訓練しています。これは、長時間のフライトの際に有効なスキルです。さらに、睡眠スケジュールを変更し、短時間の休息と昼寝を取れさえすれば活動できる体も作っています。

パイロットは、副操縦士とともに機体に乗り込み、最後のシステムチェックを行います。また、同時に精密なターゲティングを可能にする最新鋭のスマート爆弾も搭載されます。


そして、全てのチェックと準備が終わると「B-2」の扉が閉められます。その後、滑走路に向かい、ブレーキ解除スイッチを押し、スラスターコントロールを前に押し出します。すると、ジェットエンジンが唸りを上げ「B-2」はみるみるうちに速度を上げていきます。

離陸は力強く、しかしスムーズです。「B-2」は空中に浮き上がり、巡航高度の15キロメートルまで上昇します。ここから長いフライトが始まります。

基本的に、飛行経路が正しく設定されていれば、オートパイロットで飛行することができます。ただ、爆弾投下までの15時間、常に大気の状態や敵の脅威の位置を把握し続ける必要があります。

ちなみに、飛行中でも定期的に休憩時間はあります。機体にはトイレや簡易的なベットもあり、仮眠することも可能です。パイロットは副操縦士と交代で「B-2」を運転します。


仮眠から目覚めたパイロットは、副操縦士から最新情報を聞きます。そのデータをもとに機内のコンピュータをアップデートします。すると、新たな降下座標が設定されます。そして、副操縦士と簡単な打ち合わせをした後、副操縦士は座席の後ろに移動して仮眠をとります。

その後、飛行中の難所である給油をしなければなりません。ただ、「B-2」に着陸する時間はありません。そのため、空中で給油をすることになります。「B-2」は給油機を追尾し、カメラとセンサーを活用して給油機の速度に合わせます。そして、ちょうど良い角度で近づき、空中で接続します。この一連の作業はたった数分しかかかりません。これで目標に到達し、帰還するための十分な燃料が確保されました。


「B-2」は機体の形状と角度により、レーダー信号を通過できるため、レーダーでは探知されません。また、高度が高いので、周辺を飛行する敵機にも「B-2」は見つけられません。

しかし、もし無線を使った場合、その信号を敵に拾われる可能性があります。そのため、任務を終えて敵地を離れるまでは、通信を遮断しておく必要があります。

いよいよ敵との交戦です。最新のデータは、安全な衛星回線を通じて、瞬時に機内のコンピュータに送られます。どうやら、情報によると核兵器は移動中ではなく、配備の準備が整ったとのことです。急いで、目標に到着しなければなりません。


機内のコンピュータには、新たに対気速度、気温、降水量などが読み込まれます。これらすべての要素が、爆弾を投下するタイミングと軌道に影響を与えます。

「B-2」が目的地の付近に到着すると、コックピット内のスクリーンが地上のライブ映像に切り替わります。そして、風景をスキャンし、ターゲットを探します。

そして、敵の核兵器を見つけます。しかし、状況が変です。敵は核兵器を設置しただけでなく、発射の準備を進めていたのです。もし、核兵器が発射されたら第三次世界大戦や地球滅亡につながりかねません。


「B-2」は、SARレーダーと衛星から送られてくるGPSでコースを調整します。そして、副操縦士が目標の真上にいることを確認します。最後にもう一度、すべてのデータをチェックします。そして、敵の核兵器に向けてスマート爆弾を投下します。

爆弾投下後、「B-2」は爆弾倉の扉を閉め、進路を調整します。ただ、目標が破壊されたことが確認されるまで、その場を離れることはできません。そして、待ちに待った瞬間がやってきます。爆弾が爆発したというデータが入り始めたのです。

副操縦士と共にレーダーと衛星画像で、すべての目標が破壊されたことを確認します。これはミッションの成功を意味します。そして「B-2」は、ようやく故郷に帰ることができるのです。


「B-2」のパイロットは、何度も時差を経験し、海を越え、任務を成功させました。今回、パイロットは全体として、1日以上「B-2」に乗っていたことになります。

そして、また指令が出れば「B-2」は、世界中のどこにでも飛んで行かなければならないのです。

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