2021年、NASAの火星探査機であるキュリオシティは火星で奇妙な多角形の隆起を発見しました。科学者たちはこの隆起は約36億年前の火星に定期的な「雨季と乾季」があり、その影響によって形成された亀裂であると結論づけています。
この発見から何が分かり、今後どのように役立つのかについて、海外メディア「vice」が解説しています。
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過去の火星に「雨季と乾季」があったらどうなるのか?
キュリオシティは、2012年からゲイル・クレーターと呼ばれるエリアを探査しています。そして泥の中に亀裂を発見しました。亀裂を調べると一定の間隔で雨季と乾季が繰り返されていたという痕跡が確認できました。
火星にこのようなサイクルがあったということは、地球のような気候体制と前生物進化に適した地表環境があったかもしれないということです。つまり、火星はかつて生命に適した環境であった可能性があるということです。
天体物理学・惑星科学研究所のCNRS研究員であるウィリアム・ラパン氏はこの発見について以下のように述べています。
非常にユニークな形成です。実際に火星でそれを見たのは初めてで、当時の気候がどのように動いていたのか、多くの詳細を教えてくれます。
実際にこの発見から、火星の過去の気候は謎に包まれていましたが、雨季と乾季という季節が非常に規則正しく存在していたことも分かったとのことです。
地球上の生命にとってもこのような雨季と乾季のサイクルは極めて好ましい条件です。そのため、生命を増殖させるDNAを構成する生体分子の進化と相互に関連している可能性もあります。
地球は多くの生物学的・地質学的活動で賑わい、生命の起源の証拠を消し去ってしまいましたが、火星にはまだ生命の起源の証拠が残っています。つまり、火星での季節的なサイクルの発見は、火星に生命が存在していた可能性を高めると同時に、地球上の生命の起源を探る新たなきっかけにもなるかもしれないのです。
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