中国の激安EC「Temu」がAmazonの1/4の価格で売れるウラ事情
中国EC「Temu」が世界を席巻しています。Temuは2022年に設立されたばかりですが、約21億円の費用をかけてスーパーボウルに広告を出すなどし、若い世代から認知度と人気を得ています。また、Temuの商品はAmazonよりも安いことが特徴です。
急成長するTemuがAmazonより激安で商品を販売できている理由について、海外YouTubeチャンネル「Wall Street Millennial」が解説しています。
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「Temu」が激安で商品を販売できている理由とは?
Temuは、中国のPDDホールディングスが運営するオンラインマーケットプレイスで、アパレル、化粧品、家電、家具、雑貨などを激安で販売しています。例えば、Amazonで防水Bluetoothスピーカーを検索すると、ノーブランドでさえ少なくとも4,000円程します。一方、Temuであれば1,000円程で販売されています。当然のことながら送料も無料です。
Temuはどのようにして人気を集め、異常な安価で商品を販売しているのでしょうか?
Temuには、Amazonなどにはない革新的なシステムがあります。その1つが「チーム価格」です。チーム価格とは、同じ製品を必要とする他の人を見つけ、同時に商品を買うという方法です。このチームのメンバーはSNSなどを活用して集めることもできます。規定のメンバー数が集まれば、ユーザーは割引価格で商品を購入することができます。
このチーム価格は2つの点で効果的です。1つ目は、Temuで見たセールについて人々が話すことによってSNSなどで話題になります。2つ目は、ユーザー自身が営業をしてくれるということです。
次の革新的なシステムは、Temuのアプリがゲームのようになっているということです。初めてTemuアプリをみる人にとってはショッピングアプリには見えないでしょう。また、Temuのアプリ内には実際にミニゲームが搭載されています。このゲームを行うとポップアップや割引が大量に表示されて、最終的により多くの商品を購入するように誘導されます。
Temuの商品が安い理由は、ほとんどの商品を中国などの低コストな製造国から調達しているからです。また仲介業者を挟まずノーブランド商品を直接、販売しているのも大きな要因です。Amazonなどは途中に仲介業者が入ってしまうため、手数料が上乗せされてしまいます。
さらに、Temuは何億人ものユーザーの支出パターンを分析することによって、過剰在庫を最小限に抑えられるようにもなっています。
Temuはこのような方法で、短期間で驚くべき成長を実現しました。
Temuは2022年9月1日にアメリカで事業を開始し、2023年2月にカナダ、3月にオーストラリアとニュージーランド、4月21日にイギリス、4月23日にドイツ、オランダ、イタリア、フランス、スペイン、7月11日に日本でそれぞれでサービスを開始しています。
今年の3月にはアメリカで最もダウンロードされたアプリになり、5月までには累計インストール数は5,000万件に達しています。
ただ、PDDホールディングスに投資している銀行は、年間750億〜1,500億円のペースで現金を消費しているとのことです。このペースでの投資は長期的には明らかに持続不可能です。つまり、Temuの現時点の取り組みはユーザーを増やすためのリスクのある投資だということです。
もしかするとユーザーが増えた後に、送料無料などのサービスを廃止する可能性があります。「Wall Street Millennial」は、今より割高になってしまったらユーザーが離れてしまうかもしれないと指摘しています。
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