東京書籍株式会社は12月24日、ベストセラー絵本作家クリス・ホートンの初ノンフィクション『ヒストリー・オブ・インフォメーション』を発売しました。

構想17年の大人の絵本図鑑
同書は、人類がいかに情報を保存し、伝達してきたのか、そしてそれが世界をどのように変えてきたのかを描く教養書です。言語の始まりから洞窟壁画、神話、儀式、書物、印刷、写真、テレビ、インターネット、そしてAIまで、人類の情報伝達技術の進化をたどります。

著者のクリス・ホートンは、ダブリン生まれでロンドン在住のデザイナー・イラストレーター・絵本作家です。2007年には、タイム誌の「DESIGN 100」に選出されています。絵本作家デビュー作『ちょっとだけまいご』は現在まで35の言語で翻訳され、世界各国で賞を受賞したとのことです。

本書は、カリフォルニア大学バークレー校でポール・デュギッドとジェフ・ナンバーグが開講した講義「The History of Information(情報の歴史)」から着想を得て、構想から17年の歳月を経て完成しました。
掲載内容の特徴
「文字のない時代はどのように記録していた?」「なぜ社会は男性優位?」「新聞の漫画の影響力は?」「ヘイトスピーチはいつ始まった?」「『ナポレオンは背が低い』はデマ?」「ハリウッド女優がWi-Fiを発明?」といった、一見すると無関係に見える疑問がすべて「情報の歴史」で結びつく構成となっています。

鮮やかなグラフィックや豊富なイラストとともに丁寧にわかりやすく解説されており、知識・教養・センスが身につく大人の絵本図鑑として設計されています。
掲載コンテンツ

本書は、言語、描画、文書、印刷、科学、ニュースと新聞、通信網、放送、偽情報、コンピューターといった11の大テーマで構成されています。
言語では言語と脳、言語の誕生、儀式、記憶の技術を、描画では最初の印から最初の都市、最初の文字体系を、文書では文書の始まり、聖なる書物、古代中国、イスラーム帝国、中世ヨーロッパ、アメリカ大陸を取り上げています。
印刷のセクションでは印刷の発明、15世紀後半のヨーロッパ、宗教改革、ヨーロッパの識字率の向上、ルネサンスについて解説しています。科学では科学革命、データ、知識の分類、科学の国際的な協力関係を紹介しています。

ニュースと新聞のテーマでは、ニュースの誕生、公共圏の台頭、革命の時代、マスメディア、近代的な報道、写真、知的財産を扱い、通信網では郵便、電信、電話の発展を、放送では無線の始まり、ラジオの時代、テレビ、画面の向こう側への展開を記述しています。
偽情報のセクションではプロパガンダ、第一次世界大戦、ナチズム、広告、広報活動、現代のプロパガンダについて解説しています。最後のコンピューターテーマでは、コンピューターの仕組み、理論計算、軍事用コンピューター、業務用コンピューター、パーソナルコンピューター、インターネット、モバイル端末、バイラル化、ビッグデータ、ビッグテック、制御不能な状況、社会の変化、人工知能、意識について詳述されています。

付録と監訳者
本書には、世界の文明史を描いた「イラスト年表ポスター」が付属しています。
監訳は東京大学名誉教授の樺山紘一さんが担当しました。樺山さんは西洋中medieval史が専門で、東京大学文学部教授、国立西洋美術館長、印刷博物館館長などを歴任し、現在は渋沢栄一記念財団理事長を務めています。主な著書に『西洋学事始』『歴史のなかのからだ』『情報の文化史』『歴史の歴史』などがあります。
訳者の行武温さんは翻訳者・ライターです。大学卒業後、制作会社にて翻訳業務に従事し、その後オランダへ移住してフリーランスの翻訳者・ライターとして活動しました。コーヒーカルチャー誌『Standart Japan』では制作統括を務めました。
紹介動画
商品情報
『ヒストリー・オブ・インフォメーション』の定価は3,630円(本体3,300円+税10%)です。A4変型判、144ページの仕様となっています。
- 『ヒストリー・オブ・インフォメーション』公式ページ:https://www.tokyo-shoseki.co.jp/product/books/81848/
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