
株式会社ALL CONNECTは12月25日、小学生~中学生の子どもがいる保護者300人を対象に、スマホ利用実態調査を実施しました。
調査では、子どものスマホ所有状況、利用端末、契約回線、保護者の不安など、子どものスマホ利用実態が明らかになりました。
調査概要
調査はクラウドワークスを通じて、2025年12月3日~12月17日の期間に実施されました。30~50代の保護者300人を対象に、クロス集計(学年別・回線別など複数条件での分析)により集計されています。
小学生で56%がスマホを所持─低学年から高学年で持ち始める

調査の結果、小学生(低学年〜高学年)でスマホを持ち始める子どもが56%で最多となりました。
小学生低学年(1~3年)で28.33%、小学生高学年(4~6年)で28.33%と、両者を合わせると56%に達しています。これは中学生全体(16%)の約3.5倍です。
中学1年生は11.33%、中学2~3年生は合わせて5%と、中学生以降にスマホを持ち始めるケースは少数派となっています。まだ持たせていないと回答した家庭は21%でしたが、これらの家庭の多くは持たせる時期を決めているとのことです。
小学生の間からスマホを持たせ始める理由としては、緊急時の連絡手段確保、子どもがスマホを欲しがること、子どもがいる場所の把握などが考えられます。
中学生のスマホ所有率は96.9%─ほぼ全員が所持

学年別のスマホ所有率では、中学生(1~3年)で96.94%もの子どもがスマホを所持していることが明らかになりました。
小学生低学年(1~3年)の所有率は50.40%ですが、小学生高学年(4~6年)では84.42%へと34ポイント上昇しています。中学生になると96.94%となり、小学生低学年の約1.9倍に達しています。
令和4年版の総務省「情報白書」ではスマホの世帯保有率が88.6%だったことを踏まえると、スマホの普及に伴い、子どものスマホ保有も増えていると考えられます。
こども家庭庁(2023年度)では中学生のスマホ所有率が83.6%、東京都(2025年)では90.4%と報告されており、本調査の96.9%はやや高めですが、全調査で「低年齢化」が共通して確認されています。
子どもの端末はiPhoneが40%で最多─Androidを6ポイント上回る

子どもが利用している端末の種類を調査したところ、iPhoneが40%で最多となりました。
Androidが34.33%で続き、iPhoneはAndroidを6ポイント上回っています。iPhoneとAndroidを合わせると73%となり、キッズ携帯(15%)の約4.9倍です。子どもにはキッズ携帯よりも通常のスマートフォンを持たせる家庭が圧倒的に多いことがわかります。
MMD研究所が2025年9月に行ったスマートフォンOSシェア調査では、iPhoneは48.3%、Androidは51.4%という結果が出ており、全体ではAndroidが上回っています。しかし子ども世代ではiPhoneがより選ばれている傾向があるとのことです。
iPhoneが子どもに選ばれる理由としては、ファミリー共有やスクリーンタイム機能で親が管理しやすいこと、周囲の友だちがiPhoneを使っていること(同調効果)、操作がシンプルで子どもでも使いやすいことなどが考えられます。
子どもの回線は格安SIMが50%超─大手キャリアの約1.4倍

子どもの利用回線を調査したところ、格安SIMが全学年で50%超とシェア1位となりました。
学年別に見ると、小学生低学年で52.00%、小学生高学年で53.25%、中学生で57.14%と、年齢が上がるにつれて格安SIMのシェアが増加しています。
一方、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)は小学生低学年で25.60%、小学生高学年で35.06%、中学生で41.84%と増加していますが、格安SIMに比べると少数派です。
Wi-Fiのみで利用する子どもは、小学生低学年で22.40%、小学生高学年で11.69%、中学生で1.02%と、年齢が上がるにつれて大幅に減少しています。
格安SIMが選ばれる理由としては、月額料金が大手キャリアの1/3~1/2程度で済むこと、高額なiPhoneを持たせる分、通信費を抑えたいこと、親と同じ回線にして家族割を適用していることなどが考えられます。
MMD研究所(2025年3月)では大人のキャリアシェアが52%ですが、子ども世代では格安SIMが50%超と逆転しており、子どもには格安SIMを選ぶ傾向が明確であるということです。
保護者の不安1位は「SNSトラブル」(40%)─依存より人間関係

保護者が感じる心配・不安では、SNSに関する心配が40%と最も多い回答となりました。
スマホ依存への不安は29.33%で、SNSトラブルがスマホ依存を11ポイント上回り、約1.4倍の差があります。ゲーム(12.67%)や課金(10.67%)より、SNSを通じた人間関係のトラブルを心配する保護者が多いことがわかります。
SNSトラブルの具体例としては、グループLINEでの仲間外れ・悪口、知らない人からのDM・フォローリクエスト、個人情報(顔写真・位置情報)の不用意な公開、SNSを通じた闇バイトへの勧誘などが挙げられます。
こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査」でも、保護者が心配する項目として「SNS等でのいじめやトラブル」が上位にランクインしています。
ゲーム(12.67%)と課金(10.67%)を合わせても22.34%で、SNS(40%)の約半分にとどまります。SNSを通じた人間関係のトラブルへの不安が突出しているということです。
子どものスマホに関するよくある疑問
スマホを持たせるベストな時期はいつですか?
本調査では小学生(低学年〜高学年)が56%で最多でした。とくに小学生高学年になると84%がスマホを所持しており、周囲との連絡手段として必要性が高まる時期と考えられます。
iPhoneとAndroidどちらが人気ですか?
iPhoneが40%で最多、次いでAndroidが34%でした。日本国内でのiPhone人気が子ども世代にも反映されています。
大手キャリアと格安SIMどちらが多いですか?
格安SIMが全学年で50%超とシェア1位です。高額なiPhoneを持たせる分、月額料金を格安SIMで抑える家庭が多い傾向です。
保護者が最も心配していることは何ですか?
SNSトラブル(40%)が最多でした。スマホ依存(29%)やゲーム(12%)より、SNSを通じた人間関係のトラブルを心配する保護者が多い結果となりました。
新品と中古どちらで購入する家庭が多いですか?
新品購入が57%で最多です。親のお下がりが30%、中古購入は13%と少数派でした。
中学生のスマホ所有率はどのくらいですか?
96%以上の中学生がスマホを所持しています。小学生高学年で84%、中学生でほぼ全員という傾向です。
まとめ
今回の子どものスマホ利用実態調査では、「小学生で持ち始め、格安SIM×iPhoneの組み合わせが主流」という傾向が明らかになりました。
小学生低学年〜高学年で56%の子どもがスマホを持ち始め、中学生になると96%以上がスマホを所持しています。端末はiPhone(40%)がAndroid(34%)を上回り、回線は格安SIMが全学年で50%超とシェア1位です。
保護者の不安では、スマホ依存(29%)よりもSNSトラブル(40%)が11ポイント高く、子どもの人間関係への影響を懸念する声が目立ちました。
子どもにスマホを持たせる際は、端末代を新品iPhoneで、月額料金を格安SIMで抑えるという組み合わせがトレンドになっています。
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