AIが人と人の「間」をつなぎ直す時代へ PKSHA Technologyが2026年の展望を発表

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 株式会社PKSHA Technologyは1月5日、代表取締役の上野山勝也氏による2026年の年頭所感を発表しました。同所感では、AIが社会に浸透する中で、人と人の関係性をつなぎ直す「コネクティブAI」という考え方を打ち出しています。

目次

2025年のAI進化を振り返る

 上野山氏は2025年について、AIの主戦場が「基盤モデルの競争」から「AIアプリケーションの競争」へと移行した転換点だったと分析しています。生成AIの基盤モデルを巡る競争は一巡し、AIが社会でどのように役に立つかが問われ始めた年でした。

 また、オープンソースモデルの存在感が急速に高まり、基盤モデルとAIアプリケーションをいかに統合し、社会に役に立つ形にするか、が顕著に問われ始めたと述べています。

「行動するAI」が業務を支え始める

 同氏は、ソフトウエア開発やコンタクトセンター業務、会議、社内業務自動化といった特定領域において、AIエージェントが人の業務を実際に支え、成果を生み始めていると指摘しています。PKSHA Technologyのグループでも、AI SaaSおよびAIエージェント事業の成長率が加速し、社会実装の手応えを一層強く感じる一年となったとのことです。

 一方で、AIエージェントなどの「行動するAI」はまだ単独で業務完結できる領域が限定的であることが明確になりました。そのため、人との協働をうまくデザインしたサービスが成長したということです。同社は「AI Powered Worker(AIにより生産性・創造性が高まった人)」事業という新たな事業セグメントを設立し、AIと協働する未来の働き方の探求と実装を加速させています。

フィジカルAIへの投資も急速に拡大

 AIが物理世界と結びつく「フィジカルAI」への投資と関心も急速に高まったと上野山氏は述べています。センサー、ロボティクス、現場データと接続したAIは、デジタル空間に留まらず、現実世界の意思決定や行動そのものを変え始めています。

 PKSHA Technologyは、こうした潮流を見据え、AIセンサーをはじめとするアイテック社などの事業をフィジカルAIカンパニーとして統合し、新たな挑戦を開始しています。

社会システムとしてのAIの重要性

 視野を世界に広げると、2025年はAIを便利ツールではなく、未来の社会システムの中核として捉える動きが、世界各国で加速した年だったと上野山氏は分析しています。

 AI主権(ソブリンAI)、AI倫理、国際協調と競争の在り方といったテーマは、もはや一部の専門家だけの議論ではなく、国家や社会の将来を左右する現実的なテーマになっています。国や地域によってAIの普及の仕方、期待、恐れが大きく異なり、AIは決して一様に広がる技術ではなく、それぞれの国の文化や価値観を映し出しながら社会に浸透していくと述べています。

「コネクティブAI」という新たな思想

 上野山氏は、AIが社会に迎え入れられるべき存在として、「コネクティブAI(Connective AI)」という考え方を打ち出しています。これからのソフトウエアは、人が操作するのを待つ受動的な存在から、人の意図を汲み取り、自律的に動き、関係性の中に入り込む存在へと進化していくとのことです。

 その際、AIが担うべき最も重要な役割は、個人の効率を最大化することだけではないと同氏は強調しています。ソーシャルメディア等のデジタルメディアが人と人の「間」に歪な形で入り込み、人と人の関係性を壊している負の側面は、無視できない大きな社会問題です。

 同社が重視するのは、AIが人と人の「間」に入り、関係性をなめらかにつなぎ直すことです。具体的には、以下のようなAIの活用を想定しています。

  • コンタクトセンターにおいて感情の摩擦を和らげるAI
  • 組織の中で分断された知識や意図を橋渡しするAI
  • 求職者と企業、住民と行政、現場と経営の間に立ち、新たな理解や信頼を生み出すAI

 これらは、人を置き換えるものではなく、人と人のコミュニケーションを支え、関係性の質を高める触媒として機能するとのことです。

日本から世界へ「希望の技術」を実装する

 上野山氏は、日本には「和」や「間」を重んじ、人と人との調和を大切にしてきた文化があることに言及しています。だからこそ、効率や対立を煽るAIではなく、関係性を尊重し、社会を内側から支えるAIのあり方を、世界に提示できると述べています。

 同社は、AIを「不安の技術」ではなく、「希望の技術」として社会に根付かせることを目指しているとのことです。人とソフトウエアが対立するのではなく、互いに学び合い、共に進化する未来をつくることを掲げ、「人とソフトウエアの共進化」というビジョンのもと、AIが社会の中で果たすべき役割を問い続け、実装し続けていくとしています。

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