iPad3 に搭載されると噂の “IGZO 液晶” について調べてみた。

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2ヶ月以内には発表されるのではないかと言われている iPad3 。情報源は Apple もしくはその関連企業とする噂も増えてきました。

そんな中で気になるのが「iPad3 にはシャープの IGZO 液晶 が搭載される」という噂。IGZO 液晶とは見慣れない言葉です。どうやら Retina Display と関係があるようなのですが、そんな液晶は見かけたことがありません。

そこで IGZO 液晶と、これが iPad3 に搭載される可能性、さらには iPad3 がシャープの液晶テレビ「アクオス」のような高画質化を果たす可能性を調べてみました。

※現時点で入手できる情報を元に推測した内容なので、実際の iPad3 の仕様・スペックとは異なる可能性があります。あくまで参考としてお読み頂ければ幸いです。

目次

IGZO 液晶は iPad3 に搭載される可能性が高い

結論から言えば IGZO 液晶は iPad3 に搭載される可能性が高い製品です。

そもそも iPad2 に搭載されているのは IPS 液晶と呼ばれるもので、解像度は 1024×768ピクセル。1インチ中にあるピクセルの密度を示す数値は 132ppi です。

iPhone 4S も同じ IPS 液晶を採用していますが、解像度は 960×480ピクセル。しかし、ピクセル密度は 326ppi と iPad2 に比べて高いです。

よくよく iPhone 4/4S と iPad2 の液晶を見比べてみると意外にも iPad2 の表示が荒いのが分かりますが、それはこのピクセル密度の違いが原因です。

よって、iPad3 が Retina Display を搭載する可能性はあります。つまり、解像度は4倍の2048×1536ピクセルになり、液晶のサイズが iPad2 と同じであればピクセル密度は 325ppi になります。

そこでピッタリな液晶が「IGZO 液晶」なのです。その理由を順を追ってご説明します。


IGZO 液晶とは?

実は液晶画面には目には見えない、小さなトランジスタが多数配置されています。

IGZO とはそのトランジスタに使われる素材の種類で、これを使った液晶を「IGZO 液晶」という名前で呼んでいるようです。正式名称ではありません。

現在はアモルファスシリコンを使った液晶が多数ですが、IGZO はその効率の良さに利点があります。なんと IGZO はアモルファスシリコンの20-50倍ほどの効率を誇ります

ですから、トランジスタを小型化でき、さらにこのおかげでその後ろにあるバックライトの光が通過しやすくなります。つまり、従来品に比べて消費電力を減らせるのです。

また、シャープによれば IGZO 液晶は 300ppi 近辺という高密度での使用を想定しているとのことなので、Retina Display としての条件も満たします。

そもそも Retina Display のようなピクセル密度の高い液晶は、どうしても部品数が多くなりやすく、これに従って消費電力も増えてしまうのが悩みの種です。

よって、高密度化と省エネを同時に実現する IGZO 液晶 が iPad3 に採用される可能性が高いと考えられるのです。


なぜ「シャープの IGZO 液晶」と呼ばれるのか?

iPad3 と IGZO 液晶の関係について調べてみると、どうやら iPad3 の液晶はシャープが生産するという噂が最有力のようです。国内外問わず、よくこの名前が出てきます。

その理由について調べてみると、世界で初めて IGZO 液晶を実用化したのがシャープであり、さらにその生産体制も整いつつあるというニュースが関係しているようです。

酸化物半導体を採用した中小型液晶パネルを世界で初めて実用化 | ニュースリリース:シャープ

ちなみに IGZO はシャープの専売特許ではありません。昨年の家電や PC に関係する展覧会ではサムスンや LG なども IGZO 液晶を公開していましたが、どれも試作品でした。

昨今でこそ疑問の声が出ていますが、Apple は製品の品質管理については非常に厳しいガイドラインを設けています。ですから、上記の状況を踏まえると iPad3 の液晶を生産・提供するのがシャープであるという噂も確かなものであるように考えられます。


今の IPS 液晶を改良するだけではダメなのか?

現在、iPad2 に使われている IPS 液晶も高密度化は可能です。しかし、先ほども述べたようにそれに伴って消費電力が増えると言われています。

モデルチェンジを繰り返す毎に軽くなる iPad にとっては、このような消費電力が増え、バッテリを増やす必要が出てしまう IPS 液晶の高密度化は避けたいはず

これも IGZO 液晶が iPad 3 に採用される可能性が高いと考えられる理由です。


IGZO 液晶を搭載した iPad3 はアクオスと同等の画質?

シャープ製の IGZO 液晶を採用するとなれば、同社が製造する液晶テレビ「アクオス」のような非常に美しい画質でアプリやブラウジング・動画鑑賞などが楽しめる…と思われがちですが、これはまだ分かりません

というのも IGZO 液晶は従来品よりも消費電力が少ないというのが特徴で、画質が向上したという話はあまり聞きません。

*画質と解像度は正確には異なります。解像度は画質の一要素だとお考えください

もちろん Retina Display になれば iPhone 3GS から iPhone 4 へ変わった時のように、文字や写真のディテールがハッキリと見えるようになるという画質向上はあるでしょう。

シャープは IGZO 液晶には自社開発の「UV2A技術」を採用するとしています。詳しいメカニズムを省いて説明するとコントラストや黒色の再現性を向上させる技術です。

これによって iPad2 よりも iPad3 の画質は良くなる可能性はあります。

次世代液晶パネル技術UV2Aテクノロジー|AQUOS TECHNOLOGY|アクオス:シャープ

これは既にシャープの液晶テレビ「アクオス」に使われている技術です。しかし、iPad2 などで広く採用されている IPS 液晶と画質はそう変わらないという話もあります。

また、IGZO を使った液晶は現時点ではテレビには採用されていません。よって、iPad3 がアクオスと同等の画質になるとは断言できません。


まとめ:iPad3 には IGZO 液晶が搭載される可能性は高い

以上のことから、iPad3 は Retina Display を採用する可能性が高いと言えます。そして液晶には高密度化と省エネを同時に実現する、シャープ製の IGZO 液晶が採用される可能性が高いでしょう。

一方で IGZO 液晶は基本的には省エネ製品であり、同社の液晶テレビ「アクオス」では使っていません。よって、iPad3 がアクオスと同等の画質になるかは分かりません。


参考(順不同)

東京工業大学 細野秀雄研究室 アモルファスIGZO-TFTがディスプレイに採用の兆し
酸化物半導体を採用した中小型液晶パネルを世界で初めて実用化 | ニュースリリース:シャープ
次世代液晶パネル技術UV2Aテクノロジー|AQUOS TECHNOLOGY|アクオス:シャープ
単純マトリックス/アクティブマトリックスの構造|液晶の世界:シャープ
アクティブ素子の種類|液晶の世界:シャープ
アップル – iPad – iPadの詳細な技術仕様
アップル – iPhone 4S – 技術仕様
Rumor: Sharp and Apple are about to get married, pop out displays
ITmedia +D PCUPdate:TN? VA? IPS? ──液晶パネル駆動方式の仕組みと特徴を知ろう (1/2)
シャープ、“IGZO”採用の中小型液晶を世界初実用化 -AV Watch
液晶ディスプレイ – Wikipedia
■自分の目に液晶ディスプレイを合わせるために――役に立つかもしれない(?)パソコン関連のお話

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