スティーブ・ジョブズは過大評価されたCEOなのか?

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ジョブズの功績が「過大評価だ」とされる3つの要素


優れた能力やリーダーシップに反して、ジョブズの暴君ぶりも有名です。ジョブズは、確かに素晴らしい先見性を持っていましたが、同時に頑固で、恩知らずで、自分の周りにいる人たちに酷い行動を取ったと言われることがあります。

例えば、1998年に「ボンダイブルー」のiMacが発表されようとしていた頃、ジョブズは印刷された広告を見て「見た目がおかしい」と憤慨しました。そして親友であり広告パートナーのリー・クローに電話をかけ、「お前たちは何も分かっていない。これはもうダメだから、他の人に広告をやってもらうよ」と言いました。

しかしクローはジョブズと実際に会い、「iMac」の写真と印刷物の写真を見せ、同じものであることを証明しました。ジョブズは電話口で理由もなくクローに怒っていたのです。


ジョブズは自分の子供に対しても冷酷だったという話もあります。ジョブズには、23歳のとき、クリスアン・ブレナンとの間に生まれたリサという娘がいました。


しかしジョブズはリサとの親子関係を否定し、貧しい環境にあったリサや母親のクリスアンに金銭的な援助をすることを拒否。最終的には援助したものの、長い間娘を助けず、貧困状態にしていたことが非難されました。


次にジョブズが過大評価だとされる理由は、彼が製品を自分の手で作っていないという点です。ジョブズは実際には、製品を直接デザインすることはあまりなかったと言われています。

彼は自分が最も優秀なデザイナーでもエンジニアでもないことを知っていました。ジョブズが優秀だったのはプロジェクトマネジメントの面です。


彼は、デザイナーやエンジニアが能力を最大限に発揮できるような、生産的な環境の作り方を知っていました。このことは、Appleの元デザイナーであるジョナサン・アイブも認めています。


アイブは80年代後半から90年代初頭にかけて、ジョブズがいない間のAppleでは、経営陣が最高の仕事をするための必要な情報を与えることに関心がなかったと話しています。むしろ、当時の経営陣は、彼のデザインをできるだけ安く、そして簡単に大量生産できるようにしたいと考えていました。

だからこそ、才能あるデザイナーの一人であるジョナサン・アイブがデザインしていたにもかかわらず、その時期のAppleの製品は覇気がなく、インスピレーションに欠けるものだったのです。


ジョブズを映画監督に例えると分かりやすいかもしれません。彼は実際に自分で演技をしたり、カメラを動かしたり、音楽を流したり、映画全体を編集したりするわけではありません。しかし、映画を作るプロセスを効率的にし、最高の結果を出すのは彼の責任です。つまり、映画の成功はほとんど彼の肩にかかっているということです。


次に、「彼はただの営業マンだ」という考え方があります。この言葉の意味は「彼は技術的な先見の明があったわけではなく、製品を効果的に売り込む方法を知っていただけ」だということです。

しかし、この主張は、よく考えると成立していません。マーケティングを担当していたのはそもそもジョブズではなく、広告代理店の「ChiatDay」です。


Appleはジョブズがいなくなった後も、この広告代理店を使い続けています。しかし、彼らの優れたマーケティングだけでは製品は売れず、そのためにアップルは結局90年代に倒産しそうになったのです。

ジョブズはマーケティングがいかに優秀でも、製品が良くなければ意味がないことをよく知っていました。優れたマーケティングと、信じられないほど素晴らしい製品をかけ合わせてこそ、売上を伸ばすことができます。優秀な営業マンだけでは1兆ドル企業を作ることは出来ないのです。


ジョブズが「全ての点で優れた人物」だというのは確かに過大評価かもしれません。彼は誰よりも人間らしい欠点をもち、時には間違うこともありました。しかし、最終的に彼が残した功績が素晴らしいことは、疑いようのない事実です。



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