Appleの転換点となった「iPod」その成功と衰退の歴史

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iPodから生まれた「iPhone」という大ヒット製品




当時のAppleは、初期の「Macintosh」のように、新製品を出せば売れるという企業ではありませんでした。そのため「iPod」のように、それぞれの製品が高い利益率で市場を席巻し、記録的な収益を上げることが必要でした。

「iPod」以降のAppleは、それを続けざまに実現します。

iPod発売以降のAppleには、携帯電話を作って欲しいという要望が多くありました。実はAppleは、iPhone発表以前、モトローラと連携し「Motorola ROKR E1」というiTunes端末を発売しています。

ただ、このデバイスは失敗に終わり、このことがAppleに「iPhone」開発を決心させます。2007年に発売された初代iPhoneの宣伝文句の1つは「この中にiPodが入っている」ということでした。


この時点で、Appleは「iPod」から「iPhone」へと時代が変わることを確信していたといっても過言ではないのかもしれません。2009年の6月、AppleのCFOピーター・オッペンハイマーは「我々は、iPod touchとiPhoneとの共食いにより、従来のMP3プレーヤーが時間とともに減少すると予想している」と話しています。

iPhone発売の3年後、Appleはさらに「iPad」を発表。誰もがAppleのタブレットは、最低でも1,000ドル(約13万円)以上すると予想していました。しかし、Appleは499ドル(約6万5千円)で販売します。


「iPad」は「iPhone」より注目を集め、発売されるや否や史上最も速く売れた家電製品となりました。そして、2011年には、Appleの年間売上高は1,000億ドル(約13兆円)を超え、世界で最も価値のある企業になったのです。

この出来事は、ジョブズがAppleのCEOを退任するわずか2週間前のことでした。

「iPod」シリーズは徐々にiOSベースの「iPod touch」に移行していき、iPhoneの下に位置づけられるようになっていきます。安いiOS端末としての立場を維持していた「iPod touch」ですが、その存在価値も第2世代「iPhone SE」の登場により薄れていきました。

そしてついにAppleは「iPod touch」を終了することを発表。これにて、約20年のiPodの歴史に終止符が打たれました。しかし、Appleのマーケティング責任者であるグレッグ・ジョスウィアックは声明の中で、他のアップル製品にも「iPodの精神は生き続けている」と述べています。

音楽は常にAppleの中核の一部であり、iPodが行った方法で何億人ものユーザーにそれをもたらしたことは、音楽業界以上に影響を与えました–それはまた、音楽の発見、聴取、共有の方法を再定義しました。

今日、iPodの精神は生き続けています。iPhoneからApple Watch、HomePod miniまで、そしてMac、iPad、Apple TVに至るまで、Appleのすべての製品に素晴らしい音楽体験が統合されています。

Appleの歴史を見ると、iPodは間違いなく「コンピューターメーカー」だったAppleの転換点でした。そしてその存在は、間違いなく今でもAppleの中に息づいているのです。



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