Appleがユーザーに安心感を与えるために行っている戦略とは?
そして、このフレーズが「Assembled in China」のすぐ上にあることは、偶然ではありません。
「Assembled in China」の記載は、輸入品の免責事項として法律で定められています。
そしてAppleは、その記載よりも「信頼性の高い場所」に「Designed by Apple in California」と記載しています。
つまりAppleは「製品は中国で組み立てられているが、コンセプトやデザインはカリフォルニアで練り上げられたもの」という安心感をユーザーに与えようとしているのです。
Appleはユーザーからの信頼を利用することを昔から行っています。
1997年、ジョブズがAppleに戻ってきたとき、会社の評判を一新するために「Think Different」というキャンペーンを行いました。
そこでジョブズは「アルバート・アインシュタイン」「ボブ・ディラン」「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」という有名で評価の高い人物を広告に起用しています。
この有名人の起用によって注目を集め、安心感を与えました。そしてユーザーに、Appleが世界に大きな影響を与えるようなユニークなアプローチで製品を開発していることを伝えたのです。
そしてAppleは、カリフォルニア州をアメリカの全州の中で、世界に最も大きなインパクトを与えられる場所だと考えています。
実際Appleは、以前macOSのバージョンに猫科の動物の名前をつけていました。
しかし、今ではカリフォルニア州を象徴する地名を使うようになっています。
また、カリフォルニア州というブランドは、あまり象徴的ではない場所に本社を置いている「Samsung」「Lenovo」「Dell」などの競合他社には、利用することができません。つまり、ブランドの差別化要因にもなっています。
つまり「Designed by Apple in California」というフレーズには、非常に重要な役割があるのです。