東京ドーム25個分「超巨大バッテリー」の全貌

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山を改造した超巨大バッテリーの正体


ファーストライト・パワー社は、ニューイングランド地方で、再生可能エネルギーとエネルギー貯蔵を運営しています。同社が巨大なバッテリーとして使っているのがノースフィールド・マウンテンです。

ノースフィールド・マウンテンの中にあるこの施設は、非常にユニークなものです。山の内部から切り出されたこの施設は50年前に建てられたものですが、同時に、将来のエネルギー転換を推進するための理想的な立地条件にあります。

この巨大なバッテリーの仕組みは、「揚水発電」と呼ばれるものです。揚水発電では、電力があるときにポンプで上部の貯水池に水をため、必要な時には逆に下部貯水池に流すことで発電します。ノースフィールド・マウンテンの場合、120ヘクタール(東京ドーム25.6個分)の上部貯水池が山の上にあり、下部貯水池はコネチカット川となっています。


いたってシンプルですが、やっていることはまさに巨大なバッテリーでの蓄電と放電です。ノースフィールド・マウンテンでは、瞬間的に1,200メガワットの電力を供給できるとのこと。これは、ニューイングランドの約100万世帯分の電力にあたります。

揚水発電は1世紀以上の歴史があります。当初は、必要なときに必要なだけ水力発電をするために使われていましたが、70年代に原子力発電が誕生し、電力需要がないときでも発電所を常に稼働させなければならなくなると、揚水発電が余剰電力の貯蔵に使われるようになったのです。

現在さらに取り組みが進んでいるのが、原子力発電ではなく、太陽光や風力などの自然エネルギーとの組み合わせです。ニューイングランドでは、何年も前から計画されていた大規模な洋上風力発電プロジェクトが実現しつつあります。

ノースフィールド・マウンテンのような施設を組み合わせれば、大規模な洋上風力発電とバランスを取りながら、その電力が必要とされる時に備えて蓄電することができるのです。しかし、この巨大バッテリーの建造は複数の問題点もあります。

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