Switch新作ゲームは「期待はずれのビジュアルばかり」2022年のニンテンドーは〝技術的に失敗した〟という指摘
2017年に発売されて以来、1億台を超える販売台数を記録している携帯ゲーム機「Nintendo Switch」。しかし、2022年になってSwitchシリーズに露呈し始めた課題を、製品レビューを専門とする米大手メディア「The Verge」が指摘しています。
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ニンテンドーSwitchは「時代遅れ」競合が示したスペック向上の余地
5年以上前に初代ニンテンドー「Switch」が発表されて以来、2019年にはSwitch本体とコントローラーが融合した「Nintendo Switch Lite」、2021年には上位モデルとなる「Nintendo Switch(有機ELモデル)」が発売されました。しかし、肝心のCPU・グラフィック関連のスペックアップはほとんど行われていません。
「The Verge」は現状のSwitchについて「このゲーム機のゲームレビューでは、期待はずれのビジュアルについて言及することが恒例となっている」と指摘。実際、2022年11月に発表された「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」では、グラフィックに関する問題が多数レビューで報告されていました。
ポケモン スカーレット &バイオレットの11月18日の発売に先立ち、3人のPolygonライターがゲームの早期アクセスを受け、20~40時間にわたってさまざまなパフォーマンスの問題を経験しました。しかし、ほとんどストップモーションのような粗いフレームレートや、重要な場面での頻繁なクラッシュなど、パフォーマンスを低下させる問題もありました。
ゲームプレイはグラフィックから目をそらすのに十分かもしれないが、フレームレートの低下は隠せません。(中略)フレームレートの低下は街中でもっとも顕著で、隣に立っていない限り、NPCがまるで出来の悪いストップモーション映画に出てくるような歩き方をします。
残念ながら、Switchにすべてをフィットさせるのが大変な作業であったことは明らかです。それは主にビジュアルに表れています。ポケモンが壁に挟まっていたり、カメラアングルによって戦闘が見えなかったりと、奇妙な不具合をたくさん経験しました。また、主人公やポケモンはきれいに見えるのですが、その周りにあるものがひどく見えることがよくあります。
「The Verge」は、低スペックなデバイスをサポートし続ける「ロングテール戦略」がニンテンドーにとって財務的には成功しているものの、そろそろSwitch自体のスペックをアップデートする時期なのではないかと示唆。Switchを現在の仕様で販売し続けることは「2022年最大の技術的失敗」だと批判しています。
その理由の1つが、Valve社の「Steam Deck」を始めとする強力なライバルの登場です。販売台数の点ではSwitchにはるかに劣りますが、「Steam Deck」はより高性能な携帯ゲーム機の実現が可能であることを証明しました。
「The Verge」はこのモデルが、登場が期待されてきた「Switch Pro」に求められる多くの要素を実現していると指摘。「Steam Deck」はSteamの全てのゲームを実行できるわけではなく、サイズもやや大きくかさばります。しかしその点を除けば、AMDのカスタムチップ搭載で最大4K/120Hzに対応し、より要求の厳しいPCゲームを十分実行可能な優れたモデルです。
Switchには「ニンテンドーの独占タイトル」という強力な武器があり、これは他社が真似できる部分ではありません。とはいえ、5年前のチップセットが足を引っ張り、他社製ゲーム機やスマートフォンに対して遅れを取りはじめていることには間違いないでしょう。
ニンテンドーは、Switchイコール多くのゲームで性能が低いという汚名を返上するために、いくつかやらなければならないことがあります。次の世代では、NvidiaのDLSS AIや AMDのFSRアップスケーリング技術に頼って、ハードウェアのストレスを軽減しながらグラフィックをより良く見せてほしいです。
最初に「Switch Pro」の存在をリークした経済紙「Bloomberg」は、4K解像度に対応したSwitchの開発キットを受け取った開発者を、少なくとも11社確認したと述べていました。ただしこの「Switch Pro」の存在については「Nintendo Switch(有機ELモデル)」の登場とともに、ニンテンドーが否定しています。
また、当社は2021年10月にNintendo Switch(有機ELモデル)を発売いたしますが、現在それ以外の新たなモデルは計画しておりません。(2/2)
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) July 19, 2021
なお「Bloomberg」は、もしアップグレードモデルが登場したとしても、早くても2022年後半までには発売されないとしていました。これはあくまで〝ウワサ〟程度に捉えるべき情報ですが、半導体不足が解消しつつある今、より強力な新モデルが登場してもおかしくない時期であることは確かです。
ニンテンドーは2023年5月12日「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を発売する予定。これは、Switchのグラフィック性能を世界に示した2017年のタイトル「ブレス オブ ザ ワイルド」の続編にあたります。とくに世界観が美しい「ゼルダの伝説」シリーズだけに、このタイトルのファンからは、前作より高度なグラフィックが期待されているはずです。
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