スティーブ・ジョブズ退任後Appleの製品価格・デザイン・社員の給与はどう変化したのか?

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Apple製品は「より高価格」で「環境を配慮したデザイン」に



次の大きな変化は、製品デザインにおける環境問題との付き合い方です。ジョブズ在任期間末期にはすでに環境に非常に優しい企業で、ほぼすべてのApple製品がリサイクル性に優れたEPEATゴールドの評価を受けていました。しかし、クックはさらに環境に配慮し、100%再生可能なエネルギーで会社を動かすことを目標に掲げました。そして、2018年に全世界で正式に達成しています。

さらにAppleは、サプライヤーのうち9社が同じく100%再生可能エネルギーで稼働できるよう支援しています。これはテック業界ではまったく前例のないことです。

しかし、Appleの環境への取り組みはこれだけにとどまらず、iPhoneを分解して内部の貴重な素材を回収し、デバイスをより効率的にリサイクルできるLiamとDaisyという2つのロボットも導入しました。また、2018年のMacBook AirとMac Miniは、初めて100%リサイクルされたアルミニウムが使用されています。これらの取り組みを見ると、いかにAppleが環境責任の限界を押し広げているかが分かります。



次の大きな変化はApple製品の価格です。Apple製品は2015年ごろから値上がり続けています。ジョブズがiPhoneの新モデルを発表したとき、その価格は決して上昇しませんでした。ジョブズはApple製品をできるだけ安くしたいと考えていました。その証拠にジョブズは、1984年に発売された初代Macintoshの価格は1,500ドル(約20万円)かせいぜい2,000ドル(約27万円)であるべきだと述べています。しかし、スカリーは結局2,500ドル(約33万円)に値上げしてしまい、一般消費者には手が届かない価格になってしまいました。

ティム・クック下のAppleでも、製品価格は上がっています。例えば、iPhone 3GSは199ドルでしたが、最新のiPhone 14は最低構成でも799ドルです。ただし値上げ効果のおかげで、Appleは手元資金を大きく増やしました。2011年にジョブズが去ったときの手元資金は760億ドル(約10兆円)でしたが、2018年頃は2370億ドル(約31兆円)にもなっています。

次の大きな変化はメディアと関わる頻度です。ジョブズは非常に秘密を持つ人間で、ほとんどインタビューに応じないことで有名でした。しかし、クックは違います。2011年にCEOに就任して以来、何十回となくインタビューに応じています。クックはFacebookがユーザーデータを販売していることを非難したことさえあります。クックが道徳的で透明性のある方法でAppleをリードし続けるのであれば、Appleユーザーのデータはしっかり守られることでしょう。

クックはApple製品をシームレスで使いやすく、デザイン性に優れ、かつ収益性の高いものにすることで、優秀なリーダーであることを証明しています。これは、企業の存続にとって重要なことです。ジョブズ自身も「船を浮かせるにはお金が重要だ」と述べていました。



しかし、ジョブズ時代から変わっていないこともあります。それは、Appleが今でも素晴らしいデザインの使いやすい製品を作り続け、業界で最高の小売店を作り続け、ユーザーのプライバシーを真剣に考え続け、すべての顧客体験を大切にしているということです。これらはスティーブ・ジョブズが生涯をかけて築き上げ、育ててきたAppleの本質です。このジョブズの哲学を、クックがしっかり引き継いでいるからこそ、Appleは今でも世界一の企業として成長し続けることができるのです。

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