
AdobeとNVIDIAは3月16日(米国時間)、AIを活用したクリエイティブ、制作、パーソナライゼーションを高速化するための戦略的パートナーシップを発表しました。
このパートナーシップでは、次世代の基盤となる『Adobe Firefly』モデルの提供やエージェント型ワークフローの実現に向け、両社の技術が統合されるとのことです。
パートナーシップの背景
コンテンツに対する需要が急増し、生成AIがクリエイティブおよびマーケティングワークフローを再構築する中、Adobeのクリエイティブ・マーケティングワークフロー、モデル、テクノロジと、NVIDIAのオープンモデル、ライブラリ、リサーチ、アクセラレーテッドコンピューティングを統合することが、今回の協業の核心となっています。
Adobeの会長兼CEOであるShantanu Narayen(シャンタヌ・ナラヤン)さんは「コンテンツ制作は爆発的に増加しており、NVIDIAとのパートナーシップは、AIの力でクリエイティブおよびマーケティングワークフローを再構築するという共通のビジョンに基づいています」とコメントしています。
NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン(Jensen Huang)さんは「20年以上にわたり、NVIDIAとAdobeは、デザインとクリエイティブの限界を押し広げるために協力してきました。本日、私たちはそのパートナーシップを新たなレベルに引き上げています」と述べています。
戦略的パートナーシップの主要分野
次世代Adobe Fireflyモデルの提供
Adobeは、NVIDIAの高度なコンピューティングとAI技術を活用して、創造性、生産性、マーケティング向けに設計された次世代『Adobe Firefly』モデルを提供します。このモデルは、NVIDIA CUDA-X、NeMoライブラリを基に構築され、クリエイティブおよびマーケティングパイプライン向けにクラス最高の精度と制御を実現するということです。
Adobeエージェント型AIのイノベーション
Adobeは、パーソナライズされた安全でコスト効率の高い環境で、ハイブリッドかつ長期に実行可能なエージェント型ループを実現するための基盤として、『NVIDIA OpenShell』(NVIDIA Agent Toolkitの一部)とNVIDIA Nemotronを活用していく方針です。
また、両社はオープンソーススタックであるNVIDIA NemoClawについても共同で取り組んでいます。これは、単一のコマンドでOpenClawの常時稼働アシスタントをより安全に実行できるようにするものです。
3Dデジタルツインによるマーケティングコンテンツ制作の変革
NVIDIA OmniverseライブラリをAdobeのテクノロジに統合することで、マーケティングコンテンツ自動化に向けたクラウドネイティブかつブランドアイデンティティを保持する3DデジタルツインソリューションをOpenUSD上に構築します。
ツール間のシームレスな相互運用性により、ブランドは一貫性のあるパックショットやライフスタイル画像から、設定可能な3D製品体験、没入型のバーチャル試用版まで、あらゆるコンテンツを生成できるということです。なお、このソリューションはパブリックベータ版として提供が開始される予定となっています。
Adobe Firefly FoundryによるエンタープライズグレードのカスタムAI
『Adobe Firefly Foundry』は、NVIDIAの高度なコンピューティングとAI技術を統合し、大規模な商用利用に安全なコンテンツを提供するエンタープライズグレードのカスタムAIを実現します。企業やIP所有者の独自ブランドまたはフランチャイズコンテンツに合わせて綿密に調整されており、メディアやエンターテインメントスタジオにとって不可欠な機能を提供するとされています。
Adobe AcrobatへのNemotron機能の導入
AdobeはNVIDIA Nemotronの機能を『Adobe Acrobat』に導入し、AI出力の品質をさらに向上させることで、ビジネスの専門家や一般ユーザー、企業の生産性を高めていく計画です。
Frame.ioのクラウドワークフロー高速化
NVIDIA CUDAを活用して、『Frame.io』の拡張可能なクラウドコンテンツ管理とワークフロー、メディアデコード、インテリジェンスを加速します。画像、ビデオ、3D、その他のクリエイティブメディアタイプ全体で、高速なセマンティック検索や生成的な制作、インサイトを大規模に強化するということです。
共同の市場進出戦略の策定
AdobeとNVIDIAは、『Adobe Firefly Foundry』を活用して、世界中の企業顧客によるAIイノベーションへのアクセスと導入を推進する共同の市場進出戦略を策定していく予定です。
対象製品・プラットフォーム
今回の協業を通じて高速化・最適化が図られるAdobeの製品・サービスは、『Adobe Acrobat』『Photoshop』『Premiere Pro』『Frame.io』『Adobe Firefly Foundry』『Adobe GenStudio』『Adobe Experience Platform』など、創造性、生産性、顧客体験のオーケストレーション分野における幅広いラインアップに及びます。
- NVIDIA Cosmos™ オープンモデル:https://www.nvidia.com/ja-jp/ai/cosmos/
- NVIDIA Nemotron:https://www.nvidia.com/ja-jp/ai-data-science/foundation-models/nemotron/
- NVIDIA Omniverse:https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/
- NVIDIA CUDA-X:https://www.nvidia.com/ja-jp/technologies/cuda-x/
- NVIDIA Agent Toolkit:https://nvidianews.nvidia.com/news/ai-agents
- OpenUSD(NVIDIAグロッサリー):https://www.nvidia.com/en-us/glossary/openusd/
- NVIDIA CUDA 開発者ページ:https://developer.nvidia.com/cuda

