倒産危機からAppleが30兆円企業に化けた理由。天才スティーブ・ジョブズが徹底した戦略とは?

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Appleが世界トップレベルで稼いでいる企業であることは疑いようのない事実です。そして今現在もAppleは成長しつつあり、2020年には年間の利益で2745億ドル(約30兆円)という新記録を打ち立てています。

しかし20年ほど前、Appleは倒産の危機にすら陥っていました。Appleはここから、どうやって年間30兆円稼げる企業に成長したのでしょうか?これについて、Appleを解説する海外YouTubeチャンネル、Apple Explainedが解説しています。



Source:Apple Explained,MacRumors
*カテゴリー:テクノロジー technology

Appleが倒産の危機から、世界一稼げるテック企業に成長した理由

Appleが今日これほどまでに成功している最大の理由の一つは、スティーブ・ジョブズの時代を先取りしたビジネス戦略にあります。


80年代、マイクロソフトのような企業は、自社のOSをライセンスして儲けていました。 しかし、ジョブズはそれを拒み、ハードウェアの販売に全てを賭けました。彼は「ハードとソフトの両方をコントロールしてこそ、優れた製品を作ることができる」と信じていたのです。


80年〜90年代の間、この戦略の問題点は、ほとんどのユーザーが『Mac』とPCの違いを認識していなかったことでした。少なくとも、『Mac』シリーズの高い価格を正当化できるほどではありませんでした。


しかし、ハードウェアとソフトウェアの統合と最適化に注力してきたAppleの姿勢は、業界がモバイル端末に移行していく中で、ユーザーにとってより価値のあるものとなっていきます。

Appleがその片鱗を見せたのは、MP3プレーヤー『iPod』の発売でした。


より安価なモデルが市場に多く出回っているにも関わらず『iPod』は大成功を収め、最終的には音楽プレーヤー市場の80%近くを占めるまでに成長したのです。


『iPod』がこれほどまで優れた製品となった理由は、Appleの徹底的な最適化にあります。MP3プレーヤーはバッテリーの持ちや携帯性、使いやすさなどが重視されており、この最適化は非常に重要だったのです。


『iPod』のUIは直感的で非常に分かりやすく、クリックホイールによるナビゲーションで選曲も簡単でした。音楽を追加するのも簡単で、ほとんどの人がiTunesに慣れ親しみました。もちろん、『iPod』とシームレスに連動するiTunes Music Storeも同様です。


このシームレスな連携に魅力を感じたユーザーは、例え半額で買えるものがあっても、高いお金を払って『iPod』を買うようになりました。これにより、2001年から2007年にかけてのアップルの成長率は、ほぼ毎年25〜100%の伸びを示すようになります。

これが、Appleの“稼げる時代”の始まりでした。そしてこれは、他の企業にはできないことでした。つまり、Appleはすべての製品が大成功を収めるようなエコシステムを構築することができる、ユニークな企業として認められたのです。

この特性は、Appleの爆発的な成長に欠かせないものでした。Appleはすぐに行動を起こし、2007年に『iPhone』を発売します。そして『iPhone』はAppleにとって最も収益性の高い製品となり、Appleの年間収益を一気に押し上げました。


しかし、その3年後に発売された『iPad』は、さらに状況を一変させました。誰もが、Appleのタブレットは最低でも1,000ドルはするだろうと思っていました。ところが、スティーブ・ジョブズは『iPad』がたったの500ドルからと発表したため、『iPhone』以上に注目を浴びる製品となったのです。


発売されるやいなや、iPadは家電製品としては史上最速の売り上げを記録します。2011年には、Appleの年間売上高は1,000億ドルを超えました。これは、ジョブズがAppleのCEOを退任する2週間前のことでした。


ところが、Appleはここで大きな問題に直面します。それは“市場の飽和”でした。これだけ売れる商品を作ると、これは避けられないデメリットなのです。

Appleはこの問題を解決するために、製品が普及していない中国やインドなどの新興国市場に注力しようとしました。しかし、これらの国では価格に敏感であるため、Apple製品の売り上げは思うように伸びませんでした。



“市場の飽和”に対してAppleが取った2つの方法

そこでAppleは2つのシンプルな方法を取りました。1つは、ほとんどの製品を値上げすること。

『iPhone』と『iPad』の基本価格が50ドル、『Apple Watch』が70ドル、『Mac mini』が300ドル、『MacBook Air』が200ドル値上げされました。これらの製品の製造コストはほとんど変わらないため、値上げはAppleにとって純粋な利益となりました。


2つ目は、サービス事業の拡大に注力することです。

Apple TV PlusやApple Arcade、Apple News Plus、Apple Fitness PlusやApple Cardなどのサービスは、どれだけ多くの人が契約しても維持費がほとんど変わらないため、非常に収益性の高いものでした。


これにより去年のAppleの年間の利益は2745億ドル(約30兆円)と、新記録を打ち立てました。しかし、Appleがどのようにしてこれほどの収益を上げているのかについて、おそらく最も注目すべきことは、そのほとんどがユーザーデータを広告主に販売したものではないということです。

AppleはNewsアプリやApp Storeでターゲティング広告を採用していますが、その規模は極めて小さく、FacebookやGoogleのような企業よりもはるかに少ないデータしか収集していません。

現代において、ユーザーデータは非常に重要なものになっており、Appleがやろうと思えば、ここから数百億ドルの追加収入を得ることができます。しかしAppleはプライバシーを重視するユニークな企業として、当初からこれを拒否してきました。


今のところ、Appleは利益率の高い製品を大量に販売する能力を持ち、世界で最も価値のある企業であり続けているため、このアプローチは最も収益性が高いものとなっています。


なおAppleは本日、2021会計年度第3四半期の決算を発表しました。MacRumorsによると、売上高は814億ドルとなり、前年同期の597億ドルを大きく上回る結果となっています。今年もAppleは大きく成長していきそうですね。

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