Appleが製品開発をする時に、こだわっていることとは？
Appleはフィードバックを聞かないわけではありませんし、時にはフィードバックを求めることもあります。ただ、最終的には、Apple自身の判断を重要視します。
これはときに間違っているかのように思えるかもしれませんが、実はこれが彼らの成功の最大のカギなのです。
なぜなら、それがなければ、彼らは一度しか成功できなかったかもしれないからです。
多くの企業は、非常に成功した製品を制作すると、ユーザーが求めるものを何でも与えて、できるだけ長く利益を搾取しようとします。
MicrosoftがWindowsを作ったとき、彼らはまさにこの戦略をやりました。そのため、Microsoftはスマートフォンの準備に遅れてしまいました。
Appleはその逆で、常に自分たちと競争しています。
他の企業であれば、iPodの成功のために他社製品を潰そうとするかもしれませんが、Appleは自ら、iPhoneでiPodを絶とうとしました。
1つの製品が永遠に続くことはありません。よって、自らの成功を潰すことは苦痛ですが、長期的にトップを維持するためには必要なことなのです。
これは、より良いiPodを求めるユーザーの声に耳を貸さず、代わりに彼らが望んでいることさえ知らないものを作ることを意味します。
特に、フロッピードライブ、CDドライブ、充電器、ホームボタン、ヘッドフォンジャック、USB-Aの廃止など、より具体的な形で製品や機能が入れ替わっていくでしょう。
当然、製品を入れ替えると、ユーザーの中には不快に思う人もいるはずです。なぜなら、製品の変化はユーザーにとっては、不必要に思えてしまう場合があるからです。
Appleもそのユーザーの感覚を十分に理解しているはずです。しかしAppleは、これらの変化が生き残るために必要だということも知っています。
Appleは、多少の顧客を失い、ネガティブなPRをされても構わないのです。
なぜなら、変化による成長は非常に大きいものだからです。
ジャーナリストは、これらの変化が問題の兆候であると言っています。しかし本当の危険は、彼らが停止した時です。
ユーザーの声に耳を傾け始めたとき、彼らは次の大きなものを作るチャンスを失います。もし、Appleがユーザーの声を聞いていたらiPhoneが発売された後でも、iPodを改良し続けたでしょう。
ユーザーは変化を求めません。なぜなら、変化が何かわからないからです。しかし、Appleは変化し続けようとしています。
つまり、Appleの仕事は「ユーザーが欲しいと思っているものを与えることではない」ということです。
iPhoneは、ユーザーの要望に反して長い間ずっと小さいままでした。iPhoneの巨大化は、競合他社に比べてかなり遅くなりました。
このようなAppleの態度は、無神経だと思われることがあります。
しかし、それはAppleが取らなければならないリスクです。なぜなら、ユーザーを無視することで、報われることが多くあるからです。
優れた理論は、過去を理解するだけではなく、未来について検証可能な予測をすることができます。
もし、これらの原則が本当にAppleの考え方の中心にあるのなら、いくつかの具体的な結果が予想できます。
まず、もしAppleが純粋な利益よりもこれらの価値観に突き動かされているのであれば、ユーザーを怒らせ続けると予想できます。
そして、よりパワフルなiPad、ハイブリッドデバイス、あるいはまったく別のものなど、代替案がより優れていると考えられる段階まで、Macへの投資を続けるでしょう。
次に、ユーザーの準備が整う前に、より小さく、より簡単なテクノロジーを目指して、人気の高いデバイスの製造をやめてしまうでしょう。
今まさに、カリフォルニアのどこかで、Appleは現在のベストセラーを製造中止に追い込む何かを作っているはずです。
これは、自分たちのビジネスを後退させないために重要なことなのです。
