
株式会社インテージは12月22日、全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象に実施した「お年玉」に関する調査結果を公開しました。
キャッシュレス決済希望が急増
お年玉を「スマホのキャッシュレス決済」でもらいたいと答えた人は38.5%で、昨年の30.5%から8ポイント増加し、2023年の調査開始以来最高となりました。
とくに20歳以下の世代でこの傾向が顕著で、キャッシュレス決済への関心の高まりが明確に表れています。ただし4割に届くまでにはまだ距離があり、完全な移行にはさらに時間がかかる可能性があります。
あげる側は現金手渡しが9割超

一方、お年玉をあげる側の事情は大きく異なります。どのようにお年玉を渡すか聞いたところ、昨年と同様に9割以上が現金を手渡しすると回答しました。
その理由として、現金の方がありがたみが伝わるなど、対面での反応や感動が大きいという意見が多く寄せられています。スマホのキャッシュレス決済に慣れていないという人は1割程度で、むしろあえて直接・手渡しを選んでいる姿勢が浮かび上がってきました。
予算総額が2年連続で微減

お年玉をあげる予定がある人の割合は横ばい状態(2024年1月46.8%→2025年1月46.6%→2026年1月45.7%)ですが、気になるのは予算総額の推移です。
2024年1月は25,099円、2025年1月は24,775円、そして2026年は24,039円と、2年連続で微減となっています。昨今の物価高や円安がお年玉に影響すると答えた人も、昨年から2.4ポイント増えて40.2%に達しており、経済的な圧力がお年玉にも波及し始めている状況が見えてきました。
あげる側の心情 喜びと負担の葛藤

お年玉をあげる人の心情について聞いたところ、ポジティブな意見が大多数を占めています。「喜んでくれるので続けていきたい」が56.5%でトップで、「日本の文化として続けていきたい」という人も2割ほどいました。
一方、ネガティブな意見では「年齢につれて金額が上がり厳しい」が18.0%でトップとなり、「あげる金額に悩む」(17.2%)などが続いています。子どもたちの喜ぶ姿が見られてうれしい反面、金銭や精神的な負担があることがうかがえます。
学齢別のお年玉金額目安

渡す相手の学齢別に見た1人当たりの金額は、以下のような傾向が見られます。
小学生未満では「1~1,000円」、小学校低学年は「2,001~3,000円」が最多です。小学校高学年と中学生では「4,001~5,000円」が1位で、中学生では5割以上がこの金額帯となっています。
高校生になると半数が「9,001~1万円」、大学生・専門学校生・短大生ではそれが3人に2人となり、昨年の結果と同様で大きな変化は見られていません。
生活者の懐事情も厳しくなっていると言われる中で、お年玉にまで大きな影響が出てくるのか。インテージでは、来年も年始の恒例行事・お年玉の調査を行い、公表していく予定です。
調査概要
今回の調査は、2025年11月19日から11月25日にかけて実施されました。日本全国の15~79歳の男女5,000人を対象に、国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収されています。
- インテージ公式サイト:https://www.intage.co.jp/
- 2025年お年玉調査(関連情報):https://www.intage.co.jp/news/5079/
