
株式会社集英社は3月17日、速水健朗さん著の新書『機械ぎらい 機械音痴のテクノロジー史』を集英社新書より発売しました。
「機械音痴」の視点からテクノロジーの歴史を読み解く
モバイルオーダー、オンライン予約、セルフレジ、最新の家電やアプリ——効率化のために導入されているはずの新技術が、操作のしにくさによって人々の効率をかえって悪化させているという現象は、現代社会で広く見られます。
本書は、そうした「なぜ新しい機械やシステムは使いづらいのか」という問いに対し、最新技術が「機械音痴」の存在を念頭においていないことが根本的な原因であると指摘しています。単なるエンジニアリングやデザインの問題にとどまらず、社会と人間との接点という広い視点から問題に迫る内容とのことです。
著者の速水健朗さんは、メディアの変化に並走してきたライター&ポッドキャスターとして知られており、機械音痴たちの歴史をたどりながら、真に「便利な」技術と社会のあり方を考察しています。
全6章の構成
本書は全6章で構成されており、タッチパネルやQRコード注文の問題から始まり、エレベーターの歴史、冷蔵庫・鉄道・高層階への嫌悪感、マイナンバーに至るまで、幅広いテーマを横断しています。
第1章 「情弱」だと思われたくない私たち
飲食店のタッチパネルやQRコード注文の迷宮化、「効率化」が生む新たなブルシット・ジョブなどを取り上げています。
第2章 めんどうな予約型社会の到来
「調整さん」が調整しきれないものや、官僚制と予約社会の関係などを論じています。
第3章 エレベーターの歴史から見る機械のユーザーインターフェース史
怖がられていた時代のエレベーターや19世紀の恐怖「タワー・オブ・テラー」、スリーマイル島の事故とボタンの数など、UIの歴史的変遷を追います。
第4章 押しボタンはなぜ増殖したのか
ハイテク機器に惑わされない生き方や、スティーブ・ジョブズが考えた理想のマウスのボタン数といったトピックを扱っています。
第5章 「機械嫌い」から見るテクノロジー史——冷蔵庫・鉄道・高層階
冷蔵・冷気嫌い、鉄道嫌い、高所嫌いという3つの視点から、人々がテクノロジーに抱いてきた恐怖や拒絶感の歴史を掘り下げています。
第6章 郵便的国家とマイナンバー的国家
人間がアンラーニングできないという問題、テプラだらけのコーヒーマシンを「デザインの敗北」と捉える視点、そしてユーザーインターフェースこそが国の形であるという主張を展開しています。
著者・速水健朗さんについて
速水健朗さんは1973年石川県生まれのライター・ポッドキャスターです。コンピューター誌編集者を経て、2001年よりフリーランスの編集者・ライターとして活動を開始しました。
主な著書として、『1995年』(ちくま新書)、『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)、『ケータイ小説的。』(原書房)、『東京どこに住む?』(朝日新書)、『1973年に生まれて』(東京書籍)などがあります。また、2022年よりポッドキャスト「これはニュースではない」を配信しています。
書籍情報

価格は968円(10%税込)で、ページ数は192ページ、新書判となっています。ISBN:978-4-08-721405-5。
- 『機械ぎらい 機械音痴のテクノロジー史』詳細ページ:https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721405-5

