iMacの大ヒットとAppleの「奇跡的な復活」
そして、ジョブズの予測は見事に的中します。iMacはアップル社の歴史の中で最も早く売れたコンピューターとなり、年末までに80万台が販売されるという大ヒットを記録。
これにより、2年間で合計18億ドルの赤字を出したAppleは、1998年の第1四半期に4700万ドルの利益を計上するという奇跡的な復活を遂げました。多くの専門家が「不可能」と言っていたことを、Appleはたった1つの製品が実現したのです。
しかし、ジョブズとAppleの物語はまだ始まったばかりでした。ジョブズはiMacの強みを生かし、Macから1年後の1999年には「iBook」とよばれるノートパソコンを開発します。
このiBookも成功を収め、現在の製品の基礎を築くものとなりました。ちなみに、iPad、iPhone、iPodなどの名称に使われている「i」という接頭語は、iMacとiBookから始まったものです。
このようにして、ジョブズは史上最も成功したコンピューター開発し、会社をギリギリのタイミングで倒産から救いました。彼はその後も「iPod」や「iPhone」などの革新的な製品を作り出し、Appleの名を世界に轟かせました。
このiMacシリーズは現在にも続いており、2022年にも新たなモデルが登場すると予測されています。今ではどこでも日常的に見かけるApple製品ですが、この大成功は「iMac」というたった1つの製品あってのものなのです。