コカ・コーラより美味いペプシが「勝てない」決定的な理由

「新しいコーラ」が愛されなかった理由とは?


新しいコーラの発表後の数週間、毎日5,000人もの顧客が、オリジナルのコーラを復活させてほしいと電話で抗議しました。その抗議は数ヵ月後には1日8,000件に達し、コカ・コーラは電話オペレーターの増員を余儀なくされました。


このような怒りの電話もさることながら、人々は公然と新しいコーラを憎んでいることをアピールしました。例えば、全米の消費者が下水道に新しいコーラを流し込んだりしました。

また、シアトルのある人は、コカ・コーラに対して、オリジナルのコーラを復活させるように訴訟を起こしました。もちろん、この訴訟では何も変わりませんでしたが、新しいコーラが人々にいかに嫌われているかがよくわかる出来事です。


コカ・コーラは当初、抵抗勢力はいずれいなくなると考え、できるだけ無視しようとしていました。しかし、抵抗はますます強くなり、新しいコーラの発表からわずか79日後、ついにコカ・コーラは屈服しました。

コカ・コーラの社長は、「新しいコーラは我々が進むべき道だと信じていましたが、結局、ボスは消費者であり、消費者が何を望んでいるかは明らかでした」と宣言しました。


コカ・コーラは、その後、オリジナルの味をコカ・コーラクラシックとして復活させることにしました。そのため、古いコーラの瓶には「classic」と書かれているのです。


ほぼ瞬時に、オリジナルのコカ・コーラクラシックは新コーラを売り上げで追い抜き、世界で最も人気のあるコーラとしての地位を取り戻しました。しかし、コカ・コーラは新しいコーラをただ消滅させたわけではありません。


1990年、新しいコーラはCoke IIとして再ブランド化し、2002年まで存続しました。



これはコカ・コーラにとってあまりいい経験ではなかったと思われますが、実は大きなメリットがありました。オリジナルのコーラが消えることで、人々はこの味がどれだけ好きだったかを知り、この飲み物への忠誠心はかつてないほど強くなったのです。


このポジティブな結果を受けて、多くの人がこの騒動は最初から計画されていたものではないかと推測しました。

ただ、コカ・コーラの元社長は「我々はそんなに馬鹿ではないし、そんなに賢くありません」と発言しています。


つまり、ペプシもコカ・コーラも、オリジナルのコカ・コーラを置き換えることができなかったのです。


様々な統計を見る限り、新しいコーラとペプシはより美味しい上、人々は味でコーラを識別することができません。

では、一体なぜ新しいコーラにこれほどまでに否定的な反応があったのでしょう。その答えは、論理的な側面と感情的な側面の2つに集約されています。


論理的な側面から言えば、味覚テストは、人々が日常的に飲みたいと思うものを測るには、あまり良い尺度ではないということです。

ペプシも新しいコーラも味覚テストの成績が良かった理由は、どちらもクラシックコーラより甘かったからです。そして、それぞれのコーラを数口しか試飲しない場合、ほとんどの人は当然、より甘いコーラを選ぶことになります。


しかし、1缶、あるいは複数缶のコーラを飲むとなると、より甘いコーラの方が早く味覚疲労を起こすと考えられます。その結果、味覚テストでは甘いものを好むかもしれませんが、長期的にはクラシックコーラを好む傾向があるのです。


ただ、この推論の唯一の問題点は、人々がコカ・コーラとペプシを見分けられると仮定していることです。これは現実的にありえないことです。

もちろん、味覚テストの参加者のようにペプシとコカ・コーラを並べて飲んでいれば、両者の味が全く同じでないことはわかるでしょう。しかし、ランダムにどちらかを与えられたとしたら、何を与えられたかを正しく推測することはできないはずです。

このように考えると、人々がクラシックコーラを好むのは、論理的な推論というよりも、感情的な推論が大きいようです。


そして、その好例が、別の研究結果で出ています。

この研究では、研究者は被験者に2本のコーラのボトルを与えました。一方にはLの文字が、もう一方にはSの文字が書かれています。しかし、2本のボトルの中身は同じものです。

同じコーラである以上、理論的にはどちらのコーラを好むかには統計的に差が出ないはずです。しかし、参加者は圧倒的にSの字のコーラを好みました。

これは、一般の人はLよりもSの方が好きな傾向があるという証拠です。つまりコーラそのものとは関係ないのです。


さらに、コカ・コーラの瓶に入ったペプシと、ペプシの瓶に入ったコカ・コーラを飲ませたところ、参加者はその違いに気づかなかったという研究者もいます。

つまり、味はどの飲料も売れない要因にはなっていないということです。結局、ペプシも新しいコーラも他の炭酸飲料のブランドも、クラシックコーラに取って代わることができない最大の理由は、懐かしさによるものだと考えられます。

現代社会では、周囲のすべてが急速に変化しています。消費者は10年前と同じ電話やコンピュータは持っていませんが、私たちは皆、親やその親が飲んでいたのと同じコーラを今でも飲んでいます。

そして、誰もが年を重ねるにつれ、コーラは子供の頃や昔を思い出させてくれる数少ないもののひとつとなります。


クラシックコーラにまつわるある出来事を具体的に覚えていると「Logically Answered」は次のように発言しています。

2007年にシーワールドに行ったとき、コカ・コーラとスプライトの缶が両方ありました。そして、コカ・コーラの缶にはクラシックと書いてあるのに、スプライトの缶には書かれていないことが不思議でした。

当時まだ5歳だった私は、自分の好きな飲み物であるスプライトがクラシックでないことを悲しく思ったのを覚えています。

実際にクラシックの意味を知ったのは、それから10年後でした。

そして今、新しいコーラやクラシックコーラの話を聞くと、いつも子供の頃に行ったシーワールドのことを思い出すのです。この懐かしさは、50歳、70歳、90歳の人ほど強く感じるでしょう。


コカ・コーラがこのような歴史的な価値、そして懐かしさを保ち続ける限り、それを置き換えることはほぼ不可能なのです。



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