2022-2023シーズンのイングランド、プレミアリーグは、2022年8月5日に開幕し、途中FIFAワールドカップカタール大会を挟んで、2023年5月28日閉幕。その第31回プレミアリーグは、マンチェスター・シティが3シーズン連続7回目の優勝を果たしました。2位はアーセナル、3位はマンチェスター・ユナイテッド、4位はニューカッスル・ユナイテッドで、ここまでがUEFAチャンピオンズリーグ2023-2024グループステージに出場することが決定。
ここでは、三苫選手が所属しているブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの成績について記述します。
2022-2023シーズンのブライトンは、プレミアリーグで6位となり、UEFAヨーロッパリーグ 2023-24に出場が決まりました。これは、2017-2018シーズンにプレミアリーグに昇格して以来最高の成績で、ヨーロッパリーグ出場権獲得もクラブ史上初。
ブライトンのサッカーは、後方からのビルドアップの上手さが特徴で、自陣へ相手を引き込み、ボールを奪ってから巧みに繋いで展開するパターンを多用します。データサイト「WhoScored」によると、パス成功率は85.6%でマンチェスター・シティの89.3%に次いでリーグ第2位。
ブライトンの2022-2023シーズンの基本フォーメーションは、中盤の、エクアドル代表、MF、モイセス・カイセド選手とアルゼンチン代表、MF、マック・アリスター選手が攻守の要。守備は、GK、スペイン代表、ロベルト・サンチェス選手を中心に、DF、エクアドル代表、ペルビス・エストゥピニャン選手、DF、チェルシーからレンタルの若干20歳、レヴィ・コルウィル選手、DFルイス・ダンク選手。
攻撃は、MF、ソロモン・マーチ選手、元イングランド代表、MF、アダム・ララーナ選手、日本代表、FW、三苫薫選手、若干18歳のアイルランド人、FW、エヴァン・ファーガソン選手。
各ポジションに優秀な選手を揃えて、イタリア人のロベルト・デ・ゼルビ監督の元、長所を活かしたパフォーマンスを存分に披露していました。
ブライトンの選手が自分たちのチームの年間MVPを選出し、選ばれたのは、三苫選手ではなく、エクアドル代表MFモイセス・カイセド選手でした。カイセド選手は全43試合に出場し1ゴール1アシストでしたが、チームの原動力として一貫して活躍。
カイセド選手は、エクアドル出身の21歳、13歳でプロチーム、インデペンディエンテ・デル・バジェのユースアカデミーに入所し、18歳でトップチームに昇格。19歳でブライトンと4年半の契約を締結した逸材。この夏のビッグクラブへの移籍を噂されており、直近の『The Athletic』の記事は、チェルシーがカイセド獲得へ8000万ポンド(約145億円)のオファーを提示していたようですが、それを上回るオファーがブライトンに届いたことを伝えました。しかし、ブライトン側はこれも拒否。カイセド獲得オファーに対し、1億500万ポンド(約190億円)に近い金額を求めているといいます。
また、年間最優秀若手選手賞は18歳のFWエヴァン・ファーガソン選手、年間ベストゴールはフリオ・エンシーソ選手が受賞。エヴァン・ファーガソン選手はアイルランド出身で、ダブリンに本拠地を置くボヘミアンFCのユースアカデミーに入所し、14歳でトップチームに昇格。17歳でブライトンと契約し、ユースチームで活躍後トップチームに昇格。各年代のアイルランド代表を経てA代表にも選出されています。
フリオ・エンシーソ選手は、パラグアイ代表、19歳のFW。15歳でパラグアイのクラブ・リベルタのトップチームに昇格し、18歳でブライトンと4年契約を締結。パラグアイA代表には、17歳で初招集されています。ベストゴールは現地時間2023年5月24日、ブライトンがホームにマンチェスター・シティを迎えた試合の38分、敵陣中央付近で左斜め後ろからパスを受けたエンシーソ選手が、前を向くと右足でボールを少し前に持ち出して狙いすましたミドルシュート。このシュートは無回転で一直線に飛んでいき、ゴール右上隅に大砲のような強烈な一撃。この一撃は、プレミアリーグの年間ベストゴールにも選出されました。
三笘選手は3つのゴールが年間ベストゴールの候補になっていましたが、意外にも選外。2022ワールドカップ、カタール大会、グループステージ、スペイン戦でゴールラインからアウトになる直前に折り返してゴールにつながった三苫の1ミリ。1対1でのオフェンス、ディフェンス能力の高さ。そういったことが評判となった三苫選手も、各国代表が集うブライトンでは競争が激しいようです。
