
日本のIT企業「HiClub株式会社」は5月20日、同社が提供するAIチャットアプリ『SynClub』(シンクラブ)のユーザー調査結果を発表しました。この調査では、漫画やイラスト、小説などの創作経験がある「クリエイター」とそうでないユーザーの利用傾向の違いが明らかになりました。
同社によると、『SynClub』ユーザーの46.8%が「漫画やイラスト、小説など創作をしたことがある」と回答しており、これは日本全体の創作活動を行う人の割合(1割未満)を大きく上回る結果だとのことです。公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2024」によれば、文芸の創作(小説、詩、和歌、俳句など)をしている人は4.1%、絵を描く人は5.5%とされています。

クリエイターの特徴的な利用傾向
調査では、クリエイターとそうでないユーザーの間でアプリの利用傾向に違いがあることも判明しました。クリエイターはクリエイター以外のユーザーと比較して生成するキャラクターの数が多い傾向にあり、「キャラの生成」と「つながり機能(アプリ内SNS機能)」を利用する割合が高いことが分かりました。

また、年齢層の分析では、クリエイター以外のユーザーの方が年齢が高い傾向にあることも示されています。
ユーザーからの声として、「画像生成専用のAIではないですが、大元となるイメージをGrok 3にて生成し、足りない部分をペイントツールで描きこんでからSynClub内で生成しています」という意見も紹介されており、複数のAIツールを組み合わせた創作方法が浸透していることもうかがえます。
クリエイター向け機能の開発に向けた調査
同社はこの調査結果を基に、クリエイター向け機能の開発を進める意向を示しています。調査によって明らかになったクリエイターの高い割合から、『SynClub』がすでに創作志向の強いユーザー層に受け入れられていると分析しています。
くわえて、クリエイターはこだわりを持ち、じっくり時間をかけて作品作りに向き合う傾向があるため、アプリの利用時間も長い傾向にあるとのことです。

同社は今後、『SynClub』を利用しているクリエイターとそうでないクリエイターへのインタビューも実施し、次回のプレスリリースでは実際に『SynClub』を活用する漫画家の活用方法について紹介する予定とのことです。